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マドリストなら感涙必至! 人の性格は「間取り」で決まる!? 一風変わった13の“間取りものがたり”

7/29(土) 15:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 人は、人生で何回くらい間取り図を見る機会があるだろうか。初めてのひとり暮らし、同棲、結婚、離婚、転勤……、間取り図を見ながら想像するのは、ほとんどの場合、そこで始まる新しい自分の暮らしだろう。だが、本書はそれとはかなり趣を異にする。ある間取りを切り口に、そこ住む他人の暮らしを覗き見たような、これまでありそうでなかった視点で書かれた物語だ。

 『間取りと妄想』(大竹昭子/亜紀書房)は、全部で13の間取りにまつわる短編小説集。亜紀書房ウェブマガジン「あき地」に2015年8月から2016年12月までに発表された大竹昭子氏の12の作品を大幅に改稿したものと、書き下ろしの1作品から成る。

 各物語のタイトルページをめくると、これから展開される物語の舞台となる間取り図のページがある。まずはじっくりと間取り図を頭に入れてほしい。当然ながら、どの物語においても間取りは重要な要素。本書には間取り一覧図が別紙で付いているので、間取り図を確認しつつ、物語を読み進めることができて楽しい。

 作者の大竹氏は「無類の間取り好き」と紹介されているだけあって、本書に出てくるのは、どれも一風変わった間取りばかり。きっと、楽しんでそれぞれの間取りを考えたに違いない。「船の舳先にいるような」「四角い窓はない」「仕込み部屋」「家の中に町がある」など、タイトルと間取り図から、いったいどんな人物がここで暮らしているのか、想像が膨らむ。

 物語に出てくる様々な間取りのように、そこに暮らす登場人物も様々だ。彼らが風変わりな間取りの家に住むからには、それなりの理由がある。

 「船の舳先にいるような」は、子どもの頃から魅了されてきた三角形の部屋にぴったりの旗竿地(縦長の土地を前後に分けた後方の旗竿状の土地)を見つけ、念願の三角形の家を建てた男の話。彼が、なぜそれほど三角形の部屋に惹きつけられるのか、最後にその謎が解ける瞬間がやってくる。

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