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「相談役」のオシゴト ご存じ? 東芝問題で注目、問われる透明性や権限の範囲

7/30(日) 16:10配信

NIKKEI STYLE

――そもそも相談役ってどんな人なんですか。

 上場企業で相談役の存在が注目されているわね。肩書として耳にしたことはあるけれど、実際、会社でどんな役割を果たしているのかな。なぜ今、問題になっているの。企業の相談役について、深沢郁子さん(44)と島田美奈さん(48)が小平龍四郎編集委員に話を聞いた。

 「日本の企業はオーナー企業を除き、どんなに優秀な経営トップでも8年とか10年といったぐあいに年数を区切って交代してしまう場合が多いのです。トップを退いた後も現経営陣に助言したり、忙しい現役社長にかわって財界や業界活動を担ったりしてもらうため、社長や会長の経験者を相談役や、時には顧問として処遇します」

 「相談役や顧問の実態は、これまでよく分かりませんでした。経済産業省が東京証券取引所の上場企業に対して、相談役や顧問の制度や就任の実態などについて調査し、2017年3月に結果を公表しました。それによると全体の62%の上場企業に相談役や顧問がいることがわかりました。制度はあるが現段階でゼロという企業などを含めると78%と約4分の3の企業に相談役や顧問を置く制度がありました」

――何が今、問題になっているのですか。

 「直接のきっかけは東芝の問題です。2年前に発覚した会計不祥事や子会社だった米ウエスチングハウスの巨額損失問題により、同社のコーポレートガバナンス(企業統治)に注目が集まりました。同社のガバナンスが機能しなかったのは、多くの相談役が経営への影響力を持ったことが原因だったのではないか、と批判されたのです」

 「相談役や顧問は、取締役のように株主総会で選任されるわけではありません。権限と責任が曖昧である場合が多いほか、報酬や待遇に関する情報開示も不足しています。ガバナンス改革のなかで日本企業の経営に透明性が求められるようになると、役割が曖昧な『疑似役員』ともいうべき存在に対する批判も強まったのです」

 「相談役や顧問の制度は会社が自由に決められるため、肥大化する可能性もあります。社長経験者を遇するうちに人数が増え続け、相談役や顧問のほかに名誉相談役、常任顧問、最高顧問といったぐあいにどんどん肩書が複雑になり、現役の社員や経営陣でも誰に何を相談してよいのか分からなくなるという悲喜劇もあるようです」

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最終更新:7/30(日) 16:10
NIKKEI STYLE

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