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新車ではもう2度と買えない!2ストローク・レーサーレプリカに今一度、注目!!

7/30(日) 10:30配信

@DIME

 2017年になり、CBR250RRやVストローム250、CRF250ラリーといったニューモデルが続々と発売され、250ccクラスが非常に盛り上がっている。技術の進歩もめざましく、「250ccは遅い」といったイメージも徐々に薄れ、今ではツーリングやちょっとしたスポーツライディングには最適、とまで言われているのだ。……とはいえ、やはり250ccである。当然ながら、上位クラスよりは確実にパワーは落ちる。

【写真】新車ではもう2度と買えない!2ストローク・レーサーレプリカに今一度、注目!!

 ところが、ほんの20年ほど前、250ccが上位クラスよりも速い時期があったのだ。そう、それが80年代後半~90年代の2ストローク・レーサーレプリカ全盛期! 当時の250ccモデルはまさに、現代のスーパースポーツに匹敵するほどのパワーと軽さを持ち合わせ、並みいるビッグバイク相手に互角(下りの峠なら、それ以上!?)の性能を発揮していたのだ。

 それが現在、希少価値が高まって、価格が急騰しているという。もはや新車で買うことができず、しかも現行モデルにはない胸のすくような加速感を味わえる2ストローク・レーサーレプリカを手に入れられるのは、もしかすると今がラストチャンスかもしれない……。そこで、当時の人気モデルたちの魅力をあらためて振り返ってみたい。

■圧倒的な加速とコーナリング性能! 当時、最も過激なクラスは「250cc」だった!!

 現在、一部海外メーカーのコンペティションモデルや小排気量スクーターを除いたほぼすべてのモデルに採用されているのが「4ストロークエンジン」である。対して、今回紹介するモデルが搭載するのは「2ストロークエンジン」。若い読者には、2ストロークエンジンそのものを知らない人もいるかもしれない。そこでまずは両者の違いについて説明したい。

 現行モデルのほとんどに採用されている4ストロークエンジンは、ガソリン混合気の吸入・圧縮・燃焼・排気というエンジンがパワーを発揮するための行程で、ピストンを4回ストロークさせなければならない。しかし2ストロークエンジンは、吸入と圧縮、燃焼と排気をそれぞれ同時におこなう。つまり、一連の行程がストローク2回で完了するのだ。これは、同じ回転数なら4ストロークエンジンの2倍のパワーを理論上は出せるということ(実際は異なるが)。さらに構造が単純なために軽い。まさにスポーツバイクにはうってつけのエンジンといえるのだ。

 では、どうしてそんな魅力的なエンジンがなくなってしまったのか?

 2ストロークエンジンはその構造上、エンジンオイルをガソリンと同時に燃焼室に送り込み、燃焼させなければならない。さらにガソリンを完全燃焼させにくいなどの欠点もあり、これが排ガスの環境問題や燃費の悪さの原因となっている。そう、2ストロークエンジンは年々高まる環境規制についていけず、結果、2000年にはほとんどすべてがなくなってしまったのだ。

 しかし、それでも2ストロークエンジンは今なお多くのライダーから支持を得ている。その理由は前述のとおり、スポーツバイクに最適なハイパワーと軽さにあるのだが、それだけであれば現行4ストロークモデルも技術の進歩によって十分に速く、軽い。じつは2ストロークエンジン最大の魅力は、4ストロークエンジンとはまったく異なる出力特性にあるのだ。

 低回転からトルクフルで、どの回転域でも比較的扱いやすい4ストロークエンジンに対して、2ストロークエンジンが本領を発揮するエンジン回転域(パワーバンド)は非常に狭く、パワーバンドを外せば、まったくといっていいほどパワーが出ない。ところがパワーバンドに入った途端、状況は一変。まるでワープでもしているかのような加速を味わうことができるのだ。また、4ストロークエンジンは一定のアクセル開度なら速度を維持したままだが、2ストロークエンジンのパワーバンドにいたってはどんどん加速していくといった具合。僕が個人的にもお世話になっている内燃機加工屋さんである(株)井上ボーリング・井上壯太郎社長の言葉を借りれば、「単にハイパワーなのではなく、エンジンが走りたがっている感覚を持っている」のが、2ストロークエンジン特有の面白味なのだ。

 さて、そんな2ストロークエンジンの性能を100%発揮するべく開発されたのが、「レーサーレプリカ」である。80年代中頃に登場したスズキRG250Γがそのルーツで、世界GPから抜け出してきたようなアルミフレームとフルカウリング、そして高性能エンジンは多くのライダーのハートをキャッチ! その後、ホンダとヤマハからもフルカウルをまとったNSRとTZRが発売され、80年代を席巻した空前のバイクブームが巻き起こった。

 そして今、高い性能や加速感、現代でも十分にかっこいいスタイリングが、希少価値とともに見直されている。中古車価格は当時の新車価格と変わらないほどに高騰しているのだ。

 あの胸のすくような加速感は、2ストロークエンジンでしか味わえないもの。さらにそのエンジンを十分に楽しむのなら、当時最新のシャシーと足まわりを与えられたレーサーレプリカしかありえない! 今ならまだ中古相場は当時の新車価格と同等である。購入するなら手の届かない存在になる前……今が本当のラストチャンスかもしれない。

■誰もが憧れたレーサーレプリカの代名詞!

HONDA NSR250R SE
新車当時価格 72万円(1996年式 NSR250SE)
現在の中古相場価格 45~90万円(全年式)
※以下、価格は編集部調べ

圧倒的な人気を誇ったホンダNSRは、性能の高さはもちろんのこと、ビギナーでも扱いやすい特性が与えられ、誰もが速く走れるモデルとして支持された。ホンダ独自のスイングアーム「プロアーム」など、所有欲を満足させるディテールも人気の秘訣だ。中古車市場ではタマ数は多い方だが、人気も高いので価格は総じて高い。

■熾烈な「HY戦争」はいまでも語り草!

YAMAHA TZR250SPR
新車当時価格 78万円(1995年式 TZR250SPR)
現在の中古相場価格 45~70万円(全年式)

レーサーレプリカはその名が示すとおり、レーサーを模したスタイリングと性能がウリ。そのため、毎年のようにモデルチェンジを繰り返していたのだが、なかでもNSRとTZRの開発競争は熾烈を極め、両メーカーの頭文字を取って「HY戦争」と呼ばれたほど。しかしNSR最大のライバルながらも、中古相場はやや低め。性能はもちろん高いので、狙い目といえる。

■スポーツライディングに振り切ったスパルタンモデル!

SUZUKI RGV-Γ250SP
新車当時価格 77万7000円(1999年式 RGV-Γ250SP)
現在の中古相場価格 60~80万円

NSRやTZRが公道使用をある程度考慮していたのに対し、スポーツ走行にこだわり抜いたのがRGV-Γである。タコメーターの数値が3000rpmからはじまるなど、日常での使い勝手を排除した作りはコアなライダーから熱烈な支持を受けた。ライバルが生産終了となるなか、1999年まで生産されたため、比較的高年式車両が狙える。

■空前のブームはここからはじまった!

SUZUKI RG250Γ
新車当時価格 46万円(1983年式 RG250Γ)
現在の中古相場価格 30~50万円

市販車初のアルミフレームと新開発の水冷並列2気筒エンジンによって、圧倒的な性能を見せつけたのがRG250Γ。性能だけでなく、サーキットから抜け出してきたかのようなフルカウルも衝撃的だった。このモデル発売後、レーサーレプリカ人気が瞬く間に盛り上がっていくのだ。

■オフロードモデルにもレーサーレプリカがあり!

HONDA CRM250AR
新車当時価格 47万9000円(1997年式 CRM250AR)
現在の中古相場価格 35~60万円(全年式)

レーサーレプリカというとロードレーサーを思い浮かべる人がほとんどだろうが、当時はモトクロッサーを模した公道モデルも多数リリースされていた。代表的なモデルがCRM250ARだ。環境にも配慮した「ARエンジン」は次世代2ストロークとして期待を集めたが、強化を続ける環境規制に対応できず、残念ながら数年で姿を消すこととなった。

文・佐賀山 敏行(さがやま・としゆき)

@DIME編集部

最終更新:7/30(日) 10:30
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