ここから本文です

「結婚生活って、まるで写経みたい」W不倫に求めた救い――紗香の場合〈下〉

7/30(日) 22:00配信

週刊女性PRIME

世の中は不倫ブーム真っ盛り。しかし、実際に不倫している一人一人の女性に目を向けたとき、その背後には、様々な難題がおしかかってくる一方で、何の解決策も見つからないこの社会を生きる苦しみがあり、不倫という享楽に一種の救いを求める心理があるような気がしてならない。この連載では、そんな『救いとしての不倫』にスポットを当てていけたらと思っている。(ノンフィクション・ライター 菅野久美子) 今回紹介するのは、専業主婦の会田紗香(さやか/仮名・43歳)だ。彼女は、約半年前から、7歳年上の会社経営者の吉田健介(仮名・50歳)と不倫関係にある。

<前編はこちらから>

夫とのセックスが嫌で、頭の中で般若心経を唱える

 紗香は、夫とセックスレスなわけではない。夫は、結婚して20年以上経った今も、紗香に月に1回ほどは、性欲をぶつけてくる。

 しかし、夫とのセックスに嫌悪感しかない紗香は、セックスの最中、意識を完全に遮断するようにしているのだという。

「夫とのセックスは、とにかく嫌なんですよ。でも、かわいそうだから拒否はしていません。その代わりに、夫が夜、セックスを求めてきたら、私は頭の中で般若心経を唱え始めるんです。“観自在菩薩~”って(笑)。意識をどこか遠くに飛ばして、別世界にトリップするようにしています。あとは、わざとセックスの前にベロベロに酔っぱらって、セックスしたことすら忘れるようにしています」

 しかしこのような状態に至ったのには、それなりの理由があった。

 紗香は、3歳年下の夫と学生時代に結婚。できちゃった婚で、あれよあれよという間に息子が誕生。すると、徒歩で10分くらいのところに住む姑が、若くして結婚した息子を不安に思ったのか頻繁に訪ねてくるようになる。何かあったら、と夫が渡した合鍵を使って、勝手に部屋に入って来るようになり、週3日は夫婦の住むマンションに入り浸るようになった。

「どんな親も、結婚相手に自分の子供を取られたという妬みみたいなのはあると思うんですよ。でも、あの姑は意地悪すぎたと思いますね。ちゃんと、生活してるのか? と野菜とか持ってくるのを口実に、私たちの生活をのぞきに来るんです。私が夫にお弁当を作ってたら、それをじーっと見て、“野菜が足らんね”とか、“部屋、散らかってんねぇ”とか、とにかく来るたびに、1つずつマイナス点を言っていじめる。

 洗濯物を畳んでいったり、一見親切そうですけど、下着とか姑に触られたくないじゃないですか。“悪いからいいです、変な下着もいっぱい入ってますから、触らないでください”と言ったら、“いいじゃないの、若い人なんだから”とやめないんですよ。“はあ?”って思いながらも、言い返せないのが悔しくて……」

 しかし、決定的だったのは、昼間、夫とセックスしていたら、そこにガチャンと姑が入ってきたことがあってからだ。あの時から“精神のED(勃起不全)”になったと、紗香は夫とのセックスをそう表現した。

「真っ昼間、夫とセックスしている最中に、インターホンを押さずに姑が家に入ってきたんです。大慌てで下着をつけて、もう、あたふたするやら、気まずくて。そんなの予想してないじゃないですか。その時、本当に、情けないと思ったんです。本当に悔しかったです」

 ただ、おろおろしているだけの旦那の姿にも失望した。

「旦那は、親にも誰にも強く言えない性格。旦那がまったく頼りにならなかったんです。決して、旦那が私を守ってくれなかったというわけじゃないんですけど、姑に抗議したりはまったくしてくれなかったですね」

 そのうち紗香は、夫とのセックスの最中に、憎たらしい姑の顔がチラつくようになった。一生懸命、紗香の上で腰を振っている夫の顔を凝視すると、あの憎い姑にそっくりなのである。それからというもの、恐怖感にとらわれ、吐き気を覚えるようになっていったのだ。

「夫とセックスしてると、私の上に乗っているのが、まるで勝ち誇った姑のように気がしてくるんですよ。私の息子を貸してあげてるのよ! と上から言われているみたいで、気持ち悪くて仕方ないんです。親子だから当たり前なんだけど、夫の顔は姑にすごく似ている。それから、夫とのセックスが嫌で嫌でたまらなくなってしまったんです」

1/3ページ

最終更新:7/30(日) 22:00
週刊女性PRIME

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週刊女性PRIME

(株)主婦と生活社

「週刊女性」10月3日号
/ 毎週火曜日発売

定価390円(税込)