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欧州ワインを中国に運ぶ「1万キロの鉄道路線」が開通 

7/30(日) 9:00配信

Forbes JAPAN

欧州のワインが初めて鉄道でユーラシアを横断し、中国に到着した。欧州のワイン生産者にとっては今後、世界最大の成長が見込める中国市場に製品を届ける新たな道が開けたことになる。



鉄道を使った欧州ワインの貨物輸送は、アルコール飲料に特化した貨物フォワーダーであるJF Hillebrandと、欧州とアジアを結ぶコンテナ貨物車オペレーターのGroupe InterRailがテスト的に行った。列車は5月5日に、ドイツのデュースブルクを出発、6カ国をまたぎ、1万1400キロを走り28日後に中国の義鳥市に到着した。かかった時間は、船より8日間短い。

ワインのような繊細な製品を鉄道輸送するにあたっては、気候が大きなハードルの一つになる。中央アジアは気候の変動が大きい。今回の輸送では、気温が絶えずモニタリングされた。

関係者によると、5月中旬、コンテナの外の気温は6度~35度、コンテナの中の気温はマイナス2度~58度で推移すると分かった。しかしワインはそのような温度変化には耐えられない。

そのため、コンテナ内に特殊な金属の膜を装備し、気温や湿度の影響を受けにくくした。これが効を奏し、コンテナ内の温度は適切に保たれた。関係者らはワインにどれくらいの負荷がかかるかもモニタリングした。コンテナにかかる最大の負荷はジェットコースターと同程度だったが、適切に保護された状態で運ばれたワインは、損害を受けなかった。

2012年に始まった欧州クロスボーダー鉄道輸送サービスは当初、欧州の電子製品メーカー製品輸送に使われたが、その後、中国政府の支援によって、欧州の15都市と中国の25都市を結ぶようになった。

この中国欧州クロスボーダー鉄道輸送プロジェクトは、最初のころは中国から欧州へ商品を運ぶために使われることが多く、その逆方向のコンテナは90%が空の時もあった。

船よりも速く航空便よりも安い

中国-欧州間の鉄道輸送の強みは、船より2倍速く、航空便よりかなり安いことだ。欧州メーカーにとっては、世界で最もダイナミックな都市に成長しつつある成都、重慶、武漢などの内陸地域に直接輸送できるメリットがある。

鉄道輸送サービスは、中国で存在感を高める中間層に人気の電子製品や自動車、高級衣料、医薬品、そして高級食材など高付加価値商品を運ぶのに最も適している。

BMWはデュースブルクから中国へ、自動車を鉄道輸送し、ランドローバーもロンドンと義鳥を結ぶ列車の利用に関心を示している。

ワインは中国人がかつてない勢いで消費している高付加価値製品であり、非常に重く、飛行機で運ぶにはかさばりすぎる。大量のワインを鉄道コンテナで運ぶコストは、船便と大差がない。結論として、ワインは中欧間クロスボーダー鉄道輸送サービスに非常に適していると言える。

Wade Shepard

最終更新:7/30(日) 9:00
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