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【清水】「33歳ですけど」若手のようなギラギラ感を放つ鄭大世。さらなる進化のための課題とは?

7/30(日) 12:00配信

SOCCER DIGEST Web

「CBやGKとの駆け引きができるようになれば」

[J1リーグ19節]横浜 2-2 清水/7月29日/日産スタジアム/24,881人
 
 エースとしての見事な仕事ぶりだった。
 
 1-2で迎えた70分、ミッチェル・デュークとのワンツーで左サイドをえぐった松原后のクロスを、マイナス気味にスタンバイしていた鄭大世が左足で確実に合わせてネットを揺らす。敵地での勝点1をもたらす値千金の同点弾だった。
 
 自らのゴールを、鄭は次のように振り返る。
 
「自分に付いていたマークが松原に行ったから、あ、フリーだと思って。マイナスで待っていたら、絶対にこれは来るな、と。でも、運も良かった。ゴールは見てなかったし、枠に入れることしか意識してなくて、それがポストに当たって入ったので」
 
 このゴールシーンの前にも、鄭は決定機を演出している。相手のボランチがコントロールミスして、そのこぼれ球を拾うと、思い切り右足を振り抜く。惜しくもバーに嫌われたが、「あれで完全に流れが変わりましたよね。入らなかったけど、一気に前掛かりになって、その流れで取れたゴールだった」(鄭)。
 
 ただし、勝利に導く「もう1点」が取れなかったことに加え、80分のシーンも反省材料のようだ。
 
 右サイドに流れて村田和哉のスルーパスを受けると、そのまま右足でシュート。しかし、身を投げ出したミロシュ・デゲネクにブロックされて、ゴールを割れなかった。
 
「上手いブラジル人FWとかだったら、切り返して打ったりするかもしれない。相手CBの動きを見て、駆け引きしたりとか。そういのが僕はまだできない。未熟なところです」

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 それでも、ああいう場面で迷わずシュートを選択して、枠に飛ばすことだってある。「それが魅力のひとつでもあるのでは?」と記者の印象をぶつけると、「そう言っていただけるとありがたいですね。切り返すのは、あんまり好きじゃないんで。切り返して、万が一、ボールを取られたら、シュートを打っておけば良かったと思うから」と、ストライカーとしての美学をのぞかせる。
 
 もっとも、さらなる成長のために何が必要かは理解している。
 
「もう少し、FWとして何かあれば……。だいたい、取れて14点とかなんで。この壁を突破するためには、CBやGKとの駆け引きができるようになれば、もうひとつ上のレベルの選手になれると思う」
 
 自身の可能性を信じて疑わない。
 
「もう33歳ですけど、身体は全然動くし、成長の余地はあるはず。感覚でやってきたけど、相手との駆け引きとか、今まで無視してきた部分が向上しつつあるから」
 
 ベテランと呼ばれてもおかしくない年齢だが、ある意味、若手のような貪欲な姿勢を持ち続けている。そのギラギラ感を目の当たりにして、円熟味を増し、もう一段階、スケールアップした鄭の姿を想像せずにはいられない。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

最終更新:7/30(日) 13:15
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