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【鹿島】J1初ゴールを決めた安部裕葵が、甲府戦の前日練習後に見ていた「ある光景」

7/30(日) 17:00配信

SOCCER DIGEST Web

「一日一日、アピールして、頑張りたい」

[J1リーグ19節]鹿島3-0甲府/7月29日/カシマ/18,413人
 
 甲府戦を翌日に控えた28日の練習後、通常のメニューが終わると、ほどなくして安部裕葵はピッチに腰を下ろし、頬杖をつきながら、しばらくの間、ある光景を静かに眺めていた。
 
 視線の先には、なかなか試合に絡めない数人のメンバーたちが、コーチ陣の指導を受けながら、熱のこもった3対3を繰り広げていた。
 
 基本的に、サッカーそのものを見るのが好きだという。それが小学生でも、中学生でも、関係ない。ただ、この時はまた別の感情がその胸の中にあったようだ。
 
「自分は今、試合に絡めたりしていますが、それで浮かれないようにじゃないですけど、一生懸命にトレーニングしているチームメイトたちを見ていました」
 
 レギュラー奪取に向けて精力的にボールを追いかける仲間の姿を見て、安部自身、大いに感じる部分があったのだろう。
 
 ほんの少し前なら、高卒1年目の安部自身もそのグループに入り、練習に励んでいた。不断の努力が認められ、ベンチ入りする機会を得て、実際に起用される試合も増えた。
 
 その存在が広く知れ渡るようになったのは、7月22日に行なわれたセビージャ戦だろう。2-0で完勝を収めたゲームで、安部は途中出場でピッチに立つと、持ち前の突破力を随所に発揮し、鈴木優磨の先制点をお膳立てしてみせた。
 
 アグレッシブな仕掛けで攻撃を活性化させた18歳のアタッカーは、その試合のMVPに選出。1週間後の甲府戦でスタメンへの意欲を聞けば、柔らかい笑みを浮かべながら、次のように応じた。
 
「そこはあんまり考えてないですけど。とりあえず、アピールはできたと思いますし、次の練習からも、一日一日、アピールして頑張りたい」
 
 迎えた甲府戦は先発ではなかったが、76分に途中出場すると、終了間際にはレアンドロからのパスに抜け出し、GKとの1対1を制して、嬉しいJ1初ゴールを決めてみせた。
 
 着実に経験値を上げている安部について、昌子源は以前、次のように語っていた。
 
「上から目線になるけど、ドリブルの仕方とか、ちょっと人とは違う。紅白戦とかで1対1になっても、面倒くさいなと思うシーンが多い」
 
 鈴木満強化部長も、「いいでしょ、あいつ」とそのポテンシャルに期待している。
 
「守備のポジションが悪かったけど、そこを少し指導されて、だんだん理解できてきた。ドリブルだったり、スキルの高さはあるから、あとはチームの戦い方を覚えて、個人の能力を発揮できるようになれば、試合にも出られるようになる。
 
 体幹が強くてバランスがいいから倒れない。倒れても起き上がる早さがある。メンタルもプロ向きだし、楽しみだね」
 
 冒頭で記した練習後、自主トレを終えてロッカーに引き上げようとする際には、ピッチに向かって一礼する。浮き足立つ素振りなどまるでなく、サッカーと真摯に向き合う安部のさらなる飛躍が楽しみだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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最終更新:7/30(日) 17:00
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