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ゲーム音楽専門オーケストラ「JAGMO」の正体

7/30(日) 11:44配信

東洋経済オンライン

 クラシック音楽とゲーム。この異質な2つのカルチャーが融合され、新たな潮流が生まれようとしている。その最も先鋭的な担い手がゲーム音楽専門のプロオーケストラ、JAGMO(Japan Game Music Orchestra)だ。

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 JAGMOはゲーム音楽だけを演奏するために設立されたオーケストラで、2014年の設立以来、主催・依頼演奏を含め十数回のコンサートを実施している。パリで開催されているジャパンカルチャーのイベント「JAPAN EXPO」には、弦楽四重奏団として2015年と2016年に出演。8月26日、27日には東京芸術劇場にて「旅人達の追想組曲」と題するコンサートを開催する予定だ。

 JAGMOの目的は、ゲーム音楽の生演奏を通じて、ゲーム音楽のすばらしさを広めるとともに、クラシック音楽のファン層を広げることだという。プロデューサーの山本和哉氏は自身、音楽大学を卒業したプロの作曲家・演奏家でもあり、もちろん大のゲーム好き。

 「2000年代を代表するものとして後世に残る文化にしたい。ゲーム音楽はその可能性を持っています」(山本氏)と熱を込めて語る。

■ゲームの世界に没頭するための重要な要素

 とはいっても、マイナーで敷居が高いと思われているクラシックと、子どもや若者にファンが多いゲーム。水と油のように相性が悪いのではないだろうか。しかし、「音が心を動かす」という部分では、共通していると山本氏は言う。

 「ゲームは自身が操作するため、主体として関与する意味合いが強いエンターテインメント。音楽は、プレーヤーが主人公となってゲームの世界に没頭するための重要な要素になります」(山本氏)

 たとえばRPGなどでは感動させる場面が盛り込まれていることが多いが、そうした場面では必ず心を打つようなドラマティックな音楽が使われている。

 「私も、泣きながらゲームをやっているということはよくあります。不思議なことに、後でその音楽を聞くと、ゲームで感動した場面だけでなく、ゲームをやっていた当時の自分の体験などが鮮明によみがえるんです。それで泣いてしまうこともあります」(山本氏)

 ゲームソフトのデータ容量が限られていた頃は、プログラマーは極力データ量を抑えながら、電子音の組み合わせで表現を工夫した。それでも、ゲームの世界観と相まって、プレーヤーを魅了するすばらしい音楽が多々生まれた。

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