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致死率80%「大動脈解離」から逃れる5つの鉄則 急逝・阿藤快が訴えていた背中の痛み

7/30(日) 8:02配信

デイリー新潮

 あらゆる病気の中で、「大動脈解離」が原因で死ぬことほど辛いものは他にあるだろうか。身体を引き裂く激痛に悶絶しながら、脳梗塞や心筋梗塞、ショック死が刻々と迫る。発症したらすぐ、病院に駆け込むしか手立てはない。そんな恐怖の病を未然に防ぐ鉄則とは。

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 俳優の阿藤快(享年69)は、大動脈解離からきたと見られる大動脈瘤破裂で亡くなる2週間ほど前から背中の痛みを訴えていた。

「ちょうど肺の裏側で、肩甲骨のあたりが痛いと阿藤が言うのです。湿布薬を貼っていたのですが、それでも痛みが治まらない。普段は“痛い”とか“辛い”なんて言わない人なので、内臓を悪くしているかもしれないと不安になって、病院に行くようお願いしてあったのです。でも結局、行かないまま亡くなりました」(所属事務所の社長)

 阪大医学部附属病院心臓血管外科診療科長の澤芳樹医師によると、

「阿藤さんの場合は、これが発症の予兆だと思いますね。それも弱い前兆だったと見られます」

 単なる肩凝りなのか大動脈解離から来る大動脈瘤なのか、一般の人が判別することは不可能だ。だから、発見するためには病院で検査を受けることが「鉄則」だ。

「大動脈の異常を調べるのなら、血管の外側と内側の様子が分かる造影剤を使ったCTがいい。もちろん、医師に伝えれば胸から腰まで撮ってくれます。回数も2~3年に一度でいい」(同)

加藤茶の異変

 CT検査で重要なのは大動脈内に出来た血腫を見つけることだ。

「CT検査の他に『Dダイマー』の測定という方法もあります」

 と言うのは、河村循環器病クリニックの河村剛史院長だ。

「人間の身体には血腫や血栓を溶かす働きがあります。血腫や血栓は溶けるとDダイマーという物質を生成し、その数値を測ると動脈の状態が分かるのです」

 また、心臓外科医で昭和大学横浜市北部病院循環器センター教授の南淵明宏医師は、検査では、大動脈の拡大にも注意するべきだと指摘する。直径40ミリ以上に拡大しているなら、近い将来、大動脈解離を発症する可能性が極めて高い。

 実際、南淵医師は、後に発症した加藤茶の異変をいち早く見つけていた。

「以前、芸能人の健康診断をしてみるというテレビ番組を監修したことがあるのです。そこで加藤茶さんの身体を診たのですが、大動脈の直径が拡大していることが分かった。要注意ぐらいのレベルですが、一度、検診に来て欲しいとお伝えしておいたのです。しかし、それから2年ほど後に加藤さんは大動脈解離を発症してしまった。後にお会いしたら“あの時、注意を受けていたのに……”と残念がっておられました」

 もちろん、検査には費用がかかる。CT検査の場合、人間ドックなら3万円前後。だが、保険がきく場合、約9000円で済む。高血圧や動脈硬化が気になるのなら、高いとは言えまい。

 最後に、やってはいけない「鉄則」をひとつ。胸や背中に激しい痛みを感じてもやたらに心臓マッサージするべきではない。

「大動脈解離を起こして血管の中が裂けているのに、上から圧迫したら、さらに裂け目を広げてしまいます」(秋津医院の秋津壽男院長)

 胸が痛いとか背中の痛みが続くようなら、まずは検査。ちょっとした決心が、生死を左右することもあるのだから。

「週刊新潮」2017年7月27日号 掲載

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最終更新:7/30(日) 8:02
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