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みんなもう忘れてる40歳の大英雄。歴史的快挙だった2017年自動車業界最大のニュースとは?

7/30(日) 8:50配信

週刊SPA!

清水草一×渡辺敏史両氏による恒例の自動車放談は、今回が15回記念大会! 愛すべきクルマバカの2人が選ぶ、2017年上半期自動車業界の刮目ニュースをお届けします!

⇒【写真】クルマが空を!東名バス事故

<クルマバカ放談 2017年上半期編>

自動車ライター・清水草一 × 自動車ライター・渡辺敏史

――上半期を振り返ると。

渡辺:タカタの経営破綻ですか?

清水:いや、佐藤琢磨のインディ500優勝だよ! 夢のまた夢みたいなことが起きたんだよ!

渡辺:歴史的快挙ですよね。でも事前情報はトヨタのル・マンの盛り上がりとは正反対で、琢磨への期待値って、なかったじゃないですか。

清水:正直、もう誰も琢磨には期待してなかったんじゃないかな……。それがまさかの優勝! でも、大偉業にしては報道が少なかったね。

渡辺:ホンダの優勝リリースが出るのもずいぶんと遅かったですし。

――確か翌日の午後でした。

渡辺:その代わり、琢磨が凱旋帰国したときには、ホンダのウエルカムプラザでわりと派手にイベントやって、NSXをプレゼントしてました。

清水:NSXなんかいらないよ。カーマニアを含め日本人の脳内からNSXはすでに消えたでしょ。

渡辺:こないだホンダのメディア向け技術発表会が栃木研究所であって、そのとき研究所の人が、やらなきゃいけないことはだいたい把握したから、アメリカから日本に開発比重を移して、今から頑張るとは言ってましたけど。

清水:マイナーチェンジ? そんなもんやったってしょうがないよ!

◆インディ500制覇の価値とは

渡辺:まあ、てんでいい話がないホンダに今年唯一、吉報を届けてくれたのが琢磨だったということですね。今回の優勝のすごさを野球でいえば、ヤンキース時代の松井秀喜がワールドシリーズMVPを獲ったようなものですか?

清水:インディカーシリーズのなかでもインディ500は超別格だから、もっとデカいことのような気がするけどね。

――琢磨のインディ500制覇は、テニスでたとえるなら、錦織圭がウィンブルドンで優勝するくらい、ゴルフでたとえるなら、松山英樹がマスターズで優勝するくらい、すごいことだといわれてます!

清水:大英雄だよ!

渡辺:トランプ政権になって、また隷属国家に逆戻りだってとこに、NOと言える日本を突き付けたんですよ、琢磨が(笑)。

清水:俺がF1見始めたころから、日本人ドライバーの優勝を見たいとずっと長いこと思ってたんだよね。

渡辺:井上隆智穂とか?(笑)

清水:隆智穂はペースカーにはねられて歴史に名を残したけど、片山右京、高木虎之介、佐藤琢磨、そして小林可夢偉。ことごとくダメだった。あまりに待ちすぎて、期待する気持ちはもう完全に消えてた。ところが琢磨40歳でまさかの大どんでん返し! F1じゃないけどさ。

渡辺:トヨタは今年もル・マンに勝てなかったけど、予選での可夢偉のタイムはすごかったじゃないですか。ぶっちぎり!

清水:そういう話はもういいよ!

渡辺:レイテ沖で日本海軍大活躍みたいな。

清水:駆逐艦1隻沈めただけで、大勝利って言うのはやめようよ。トヨタにはル・マンに勝つまでやってもらうしかないけど、とにかく琢磨の優勝は今年の自動車業界最大のニュース! でも、我々はなにかにつけて日本人にこだわるよね。

渡辺:やっぱり70年前に民族全体でどん底を見たからじゃないですか。

清水:クルマ好きからしたら「日本人は運転がヘタ」と言われるのがコンプレックスなわけ。でもさ、最近しみじみ思うけど、日本人全般かなり運転がうまくなったと思うんだ。首都高走ってると、コーナリング速度がすごく上がってる気がする。

渡辺:それはクルマとタイヤがよくなったからじゃないですか。

清水:クルマがどんなによくなったって、みんな度胸がないからコーナーでいきなりカメになってたじゃんか! やっぱり日本人は運転がうまくなった! だから琢磨も優勝したんだよ!(笑)

◆ドラレコ時代を象徴する衝撃!

――第2位は?

清水:東名で対向車線から飛んできたクルマじゃないかと。

渡辺:あのバス事故の映像は、ドライブレコーダー時代ならではの衝撃でしたよね。あれで、ドラレコが相当売れたらしいですから。

清水:あんなに飛んで、しかもバスに乗っかったまんまというのは、信じがたい偶然だよね……。

渡辺:とんでもないスピードで走ってたかと思いきや、警察発表だと時速100kmくらいで、それほど出てなかったみたいですし。

清水:中央分離帯のスロープが原因で飛んだからスロープをやめろという人がいるけどさ、今回は100年に1回くらいの珍事でしょ。中央分離帯がある高速道路で対向車線に行っちゃうこと自体、数年に1回レベルだし。

渡辺:優先順位としては、橙色のラバーポールが並んでるだけの対面通行の高速道路の改善ですね。

清水:それが日本の高速の3割を占めてんだから、まずそっちをなんとかしないと。

◆日本が中国を抜き返した!

――第3位は?

渡辺:スーパーカー系の話題でいえば、今年1月に2016年のランボルギーニの販売台数が出て、日本は世界で2番目にランボルギーニが売れてる国になったことですか。

清水:中国を抜き返したんだよ!

渡辺:中国が落ちたのは、習近平の贅沢禁止令が影響してて、中国の成金さんたちも調子こいてランボルギーニになんか乗ってると目を付けられる状況らしいですね。

清水:アベノミクスが始まったころ、俺は「中国のGDPを抜き返す!」って言ってたけど、GDPではもうさすがに無理。でもランボルギーニの販売台数で抜き返した。まさかの偉業だよ!(笑)

渡辺:明るいニュースですね(笑)。あれほど目立つクルマが売れてるってことは、日本の財務状況はまだまだ大丈夫ですね。じゃあ、日本のスーパーカー、レクサスLCはどうですか?

清水:えっ、現実に戻さないでくれる。いいクルマだよ。

渡辺:日本人が堂々と浮世離れしたモノを出すのはそうそうないじゃないですか。あれ見ると、日本人の生態が確実に変わってきている気がします。平たくいえば、年寄りが盛っている感はありますよね。リタイヤ世代や高齢者の性の悩みがNHKでも取り上げられる昨今ですから。

清水:LCは、日本の世相を表しているわけね。

――最後に下半期の展望をチラっと。

清水:東京モーターショー(10/27~11/5)は盛り下がるでしょ。なんせスーパーカーが一台も出ない。

渡辺:ドイツとフランスのメーカーは来るけど、イタリアない、イギリスない、アメリカない。華やか系は期待できないでしょうね。

清水:だったら、都心のショールーム巡りをしたほうが全然いいじゃない。勇気を出してコーンズやマクラーレンのショールームに入ってみようよ。そのほうがイベント性高いから。あの高い敷居をまたげるかどうか、男の度量が試されるんだよ。

渡辺:赤坂のビンゴスポーツとか、並んでいるクルマはヒストリックカーミュージアムみたいになってますもん。それが溜池山王駅下車、徒歩5分でタダで見られる(笑)。

清水:ビッグサイトなんか行くのはアホだよ!(笑)

写真/Honda TOSHIN KANKO Lamborghini TOYOTA

日刊SPA!

最終更新:7/30(日) 8:50
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