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海外進出目指す『鳥貴族』社長 「全品280円は適正価格」

7/31(月) 13:15配信

マネーポストWEB

 温かみのある木造りの店内に入ると、すぐに、食欲をそそる香ばしいにおいに鼻孔が刺激される。店内はカップルやサラリーマン、女子会のグループ、子連れの家族などで満席である。皆、大ぶりの焼き鳥を頬張りながら、満面の笑みで会話を交わし、店中に笑い声が響きわたっている。

「外食離れ」「孤食」などという近年の風潮をみじんも感じさせないほど活気にあふれ、賑わいを見せているこのお店は、焼き鳥チェーンの『鳥貴族』だ。同店が開業したのは32年前。大阪府東大阪市の繁華街にある9坪の小さな店だった。

 フードからドリンクまですべて280円均一(税抜)という低価格設定で人気を博し、関西・関東・東海地区を中心に直営店とフランチャイズ店を展開。居酒屋離れが進んでいる昨今、4期連続の増収増益を誇っている。今や、居酒屋チェーンのトップを独走してきたワタミを追い抜かんとする勢いだ。 「まだまだこれからですよ」と笑うのは、同店を一代で上場企業に育て上げた、株式会社『鳥貴族』代表取締役社長の大倉忠司さん(57才)だ。

「まずは2021年7月期までに1000店舗。その後、世界の『鳥貴族』を目指して、海外に進出します」(大倉さん、以下「」内同)

 近年、日本人は、安価なものに慣れ、物の本当の価値に鈍感になっている。そんな消費者の価値観に合わせたかのように、食に関する偽装事件が相次いでいる。2007年には高級料亭の船場吉兆で産地や賞味期限の偽装が発覚。また、カレーチェーン店の壱番屋が産廃業者に廃棄を依頼したカツが、他業者に横流しされた昨年の事件は、記憶に新しい。

 そんな中、『鳥貴族』は低価格で質のいいものを提供することを創業来の目標に掲げ、貫き続けている。

「いつの時代も低価格は強い。でも、“安かろう悪かろう”ではだめです。価格以上の価値を提供することが大切です。それによく“安い”とおっしゃっていただきますが、われわれからすれば、無理をしているという意識は全くありません。われわれにとっては適正価格です。全品280円均一にしてから、28年間値上げをしていないのも、そのためです」

 消費税が上がっても、値上げをしなかった。それどころか、昨年からフードに使用する食材を100%国産に切り替えた。

「焼鳥専門店なので、味、ボリューム、価格のトータルで他店に負けるわけにはいきません。名物メニューの“貴族焼”は一般的な焼き鳥店で提供される焼き鳥と比較して、重さは約3倍。味を追求するために、国産鶏を店内で1本1本串打ちしています」

 さらにサラダやポテトに使う野菜の供給を維持するために数年前から畑を押さえ、鶏肉だけでなく、野菜も100%国産を徹底している。

※女性セブン2017年8月10日号

最終更新:9/7(木) 17:12
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