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レーガン、クリントン元大統領の命も守った医療チームの凄腕

7/31(月) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 米大統領の健康を徹底管理し、万一の際にはあらゆる手段で大統領の命を救う。それが大統領専属医師団「WHMU(ホワイトハウス・メディカル・ユニット)」に与えられた使命だ。在米ジャーナリストの武末幸繁氏が、知られざるWHMUの実態を明かす。

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 WHMUは大統領と副大統領、およびその家族の健康管理を行い、病気やケガをした場合は手術を含めた最高レベルの治療を行う「スーパー・ドクター」集団だ。

 WHMUは、大統領の移動手段や食事、医療などを担当する「ホワイトハウス軍事局」の所属で、基本的な人員は、医師5名、看護師5名、医師アシスタント(PA)5名、救急医療隊員(衛生兵)3名、事務管理者3名とIT管理者1名の計22名で構成される。

 WHMUは大統領の移動に常に同行する。大統領専用機のエアフォース・ワンにはホワイトハウスと同等の医療設備が備えられ、上空での緊急手術にも対応可能だ。

 また、車での移動時にはドクター・カーを帯同。大統領が車から離れる際、医師は薬品と医療器具一式を詰めたバックパックを背負って大統領に付き添う。万が一の場合はその場での手術も辞さず、こうした体制は「モバイル・オペレーティング・スイート(移動型手術室)」と呼ばれている。

 大統領の移動時、本人と同じ型の輸血用血液が携行されることは広く知られているが、近年では放射性物質による攻撃やバイオテロを想定し、被曝治療のための薬剤や解毒剤なども携行しているという。

 また大統領が外遊や国内各都市を訪問する際、WHMUは訪問先や移動ルート上に高度な医療施設があるかを詳細に調査。あらかじめ選定した病院の医師と面会し、医療措置が必要になった場合の綿密なシミュレーションを行っている。

 1981年の「レーガン大統領狙撃事件」では、こうしたホワイトハウス・ドクターの活躍が大いに評価された。

 当時の大統領主治医は脳神経外科医のダニエル・A・ルーゲ氏。大統領は被弾し、銃弾は肺の奥深くで止まり内出血を起こしていた。

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