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異色の「千代の富士」フィギュア誕生 アポなし訪問から女将さん公認となった舞台裏

7/31(月) 17:40配信

KAI-YOU.net

7月30日に開催された「ワンダーフェスティバル2017[夏]」(以下ワンフェス)。大手メーカーから個人のディーラーまで、大量の立体作品が入り乱れたが、その中で、国民栄誉賞までも受賞する活躍を見せ、昨年7月31日に惜しまれつつも61歳で亡くなった第58代横綱 千代の富士 貢を題材にしたガレージキットが発売されていたのをご存知だろうか。

【生前の精悍さをたたえた「千代の富士」フィギュア】

なんせワンフェスでの販売物といえば美少女キャラクターやメカ・ロボット、はたまた怪獣やクリーチャーといったモチーフが多くを占める。そんな中で力士、しかも実在する特定の力士を題材にした作品が販売されるのは珍しい。

このキットを製作されたのは、ディーラー「AMON WORKS」を運営するフリー原型師、AMON/阿紋さんだ。フルデジタルでの原型製作を得意とし、バットマンや『TIGER & BUNNY』のようなアメコミ的なディテールを持ったキャラクターを中心に、美少女キャラクターやLADYBEARDまでも手掛ける。造形対象の“見せ場“をフックアップすることに長けた、オールラウンダーの原型師である。

1周忌を翌日に控えたこのタイミングで出展・販売開始されたキットとあって、かねてから一部の注目を集めた千代の富士フィギュア(ガレキ)。製作の背景や経緯はどのようなものだったのだろうか?

フィギュアにしたくて、アポなしで九重部屋を訪ねた

AMONさんが千代の富士を製作することになった理由は、力士としては小兵ながら引き絞られたその圧倒的な体格、そして通算1045勝・優勝31回という猛烈な戦歴からくる文句なしのかっこよさだった。

確かに、千代の富士の精悍な顔立ちと筋肉質な体つきは「ウルフ」の愛称に寸分違わない、独特のシャープさがある。

「実在する人物なのに、そのビジュアルや戦歴、生きた伝説のような存在感とか、まるでフィクションの登場人物みたいですよね。デフォルメを加えず本人そのままでフィギュアにしてもアスリート的な迫力があって絵になる。相撲を取るためだけについた無駄のない筋肉も立体として本当に魅力的ですし、絶対につくってみたかったんです」

どうしても千代の富士のフィギュアをつくって世に問いたい! そう思ったAMONさんは、今年2月、いきなりアポなしで千代の富士が親方を務めた九重部屋の扉を叩いた。

「『フィギュアつくりたいんですけど……』って電話をかけても何がなんだかわからないだろうし、怪しまれて断られてしまったらそこで終わりだと思ったんです。だから直接『千代の富士つくりたいんですけどどこにお聞きしたらいいですか』と訪問させていただきました」

驚くべき行動力である。普通なら追い返されそうだが、九重部屋の対応は丁寧だった。

「最初にアポなしで行った時はまずお弟子さんが出てきてくれて、『自分じゃよくわからないんで女将さんに聞いてもらえますか』とご自宅まで案内してくれたんです。でもその時は留守だったので、九重部屋の後援会事務局の連絡先を教えてもらって、そこの代表の方から女将さんに連絡を取っていただきまして。自分の過去の作品とかをお見せしたら『是非製作してください』ということで快諾していただけました」

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最終更新:7/31(月) 20:23
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