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早実を撃破で甲子園。東海大菅生バッテリーが「勝利の配球」を明かす

7/31(月) 11:47配信

webスポルティーバ

 優勝監督インタビューでの若林弘泰監督のコメントが、すべてを物語っていた。

「二強、二強と言われてきて、早実さん、日大三高さんばかりが騒がれていたんですけど、この2チームを倒したので、西東京代表として堂々と甲子園で日本一を狙っていきたいと思います!」

【写真】東海大菅生・投手陣の大黒柱、松本健吾

 まるでこれまで溜め込んだフラストレーションを一気に吐き出すような痛快なコメントに、東海大菅生スタンドは大いに沸いた。

 大会前は早稲田実、日大三に注目が集中していた上に、東海大菅生は過去3年連続で西東京大会準優勝という「シルバーコレクター」でもあった。そんな東海大菅生は準々決勝で日大三に5対0、決勝では早実を6対2と「完勝」と言っていい内容で下して、17年ぶりの甲子園出場を決めた。

 優勝の原動力になったのは、投手陣の大黒柱へと成長した松本健吾ということは間違いない。そして、その好投を引き出したのは、正捕手を務めた鹿倉凛多朗(しかくら・りんたろう)だった。

 準々決勝で日大三を破った試合後、鹿倉の話を聞いていて思ったことがある。それは「こんな捕手がいるチームは強いだろうな」ということ。マウンド上で華やかに躍動する投手とは対照的に、鹿倉は強肩ながら取り立てて打撃力が光るわけではなく、地味な役回りだ。それでも、そのリードにはいつも明確な根拠があった。

「いつもピッチャーたちに『このコースにこの球種が欲しい』と言って、練習してきました。試合中の場面を想定して、どう打ち取るかを考えながら、いろいろと試しています。大会前の練習試合でも強い相手に通用したので、配球には自信がありました。今日(日大三戦)は松本がしっかり放ってくれました」

 日大三戦でも、その「引き出し」の多さには驚かされた。たとえば左打者に対しての投球なら、外のボールゾーンから入ってくるスライダーとインコースの膝元に沈むスライダーを使い分け、左右に揺さぶりをかけた上で決め球のフォークを振らせる。そんな高校生としては高度な投球ができる松本が背番号「11」をつけているのだ。鹿倉はこうも言っていた。

「この大会は松本ばかりが目立っていますけど、戸田(懐生/2年)も山内(大輔)も中尾(剛/2年)も練習試合で地方の強豪を抑えていますし、今はセカンドに専念している小玉(佳吾)もいます。構えたところにしっかり投げ切れる投手が揃っているので、自分の仕事はその良さを引き出すだけです」

 準決勝の日大二戦では11対8と辛勝。6点リードから一時は1点差まで追い上げられる展開だったが、最後は松本が好リリーフで締めた。その試合後、鹿倉は続く早実戦に向けてこんなことを語っていた。

「早実を相手に今日みたいな展開になったら、スタンドはもっと敵になると思います。でも、そうなっても結構楽しいと思うんです」

 鹿倉の言う「スタンドが敵になる」とは、2年前の苦い記憶のことを指していた。

 2015年夏の東海大菅生対早実の西東京大会決勝戦。東海大菅生が5点リードして迎えた8回表、早実は集中打で猛烈な追い上げを見せる。点差が縮まるたびに、神宮球場は異様な雰囲気に包まれた。当時1年生だった鹿倉は「スタンドの雰囲気が一体となって早実を応援しているようだった」と証言する。最後は3つの押し出し四球が絡んで逆転され、東海大菅生は目の前にあった甲子園出場をつかみ損ねたのだった。

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