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存亡の危機から一転、前年比1.4倍へ!キリン『生茶』に学ぶ商品リニューアル成功の秘訣

7/31(月) 7:30配信

@DIME

存亡の危機から一転し前年比144%の販売数量を実現した『生茶』。緑茶飲料のリニューアルブームの象徴的存在となったのだーー。

◎日本のお茶を変える志がヒットを生む

 緑茶飲料市場が元気だ。昨年には業界で前年比4%の伸びを見せる中、飲料メーカー各社は攻めのリニューアルに打って出ている。その牽引役ともいえる存在が、2016年度に前年比144%の販売数量を達成したキリンの『生茶』だ。

『生茶』が誕生したのは2000年のこと。程なく大ヒット商品となったが、市場に競合が乱立し始めると次第に販売数が失速し、2014年度の出荷量はピーク時から半減。翌年にはブランドの存亡が議論されるまでに落ち込んだ。

 新たに発足されたプロジェクトチームは、2016年モデルの起死回生策として、原料から見直して設計を再構築する「フルリニューアル」という同社にとっての革新的変化に打って出る決断を下した。

「お茶を食べるように味わっていただくための嗜好性を、どうすればペットボトル飲料に持ち込めるか。これがリニューアルの起点でした」とは、『生茶』のマーケティングを担当する中丸園子さん。検討を重ねる中で、家庭では味わえない、急須ではいれることのできない味の実現を目指すことになった。

 肝心の味作りは、数々の無糖茶飲料開発に携わった商品開発研究所の工藤祥子さんが担当。

「茶葉の旨味をまるごと引き出したいという、チームの要望に応えるため、いろいろな茶葉を様々な方法で粉砕し、本体に加える微粉砕茶葉作りから始めました。その結果、甘味が増し、深いコクも楽しめる、茶葉をまるごと微粉砕した『かぶせ茶』の粉末を加えることに行き着きました」(工藤さん)

 本来、緑茶飲料の主役は茶葉であるが、今回は微粉砕茶葉を先に仕上げ、粉に合わせて茶葉の選定に取りかかった。茶葉と微粉砕茶葉の両面から設計することで時間はかかったが、チーム全体が「おいしい」と納得する味に仕上がった。

 またパッケージボトルも刷新された。試作は60回にも及びワインボトルのようなスマートで持ち運びやすい形となり、グリーンベースのラベルは伝統とモダンを表現するデザインへ変わった。『生茶』の運命を握る商品がここに完成したのだ。

 リニューアル効果はすぐに数字に表われた。発売2か月で500万ケースを突破し、年間販売数量は前年比144%増というV字回復を果たした。

「『緑茶の文化を変えていきたい』という志を全員が持っていたからこそ、発想の起点が変わり、多くの方に受け入れられる『生茶』が生まれたのだと思います」(中丸さん)

 発売から1年。今年3月には味とデザインをブラッシュアップさせた新『生茶』が登場した。さらなる攻めの姿勢で依然、好調をキープしている。

「微粉砕された茶葉をより丁寧に仕上げることで、甘味やまろやかさ、とろみがさらにアップ。理想とする味覚により近づいたと思います」と、今年度も味作りを担当した工藤さん。

 しかし、プロジェクトチームにとって、現状がゴールではなく、目指すべきものは上にある。緑茶カルチャーの創造に向けた、新しい取り組みはすでに始動。今度はどんなサプライズが待っているのだろうかーー。

【人気の緑茶が揃ってリニューアル】

■上質なお茶の色をグラデーションで表現

サントリー『伊右衛門』

伊右衛門本体史上最大量の一番茶を贅沢に使用。発売時からの微粉砕茶葉制御技術を活用し、口当たりのよいコクと、心地よい後口の余韻を引き出している。

■料理にもよく合うすっきりした味わい

アサヒ飲料『なだ万監修 日本茶』

日本料理の老舗である「なだ万」監修のもと、香り高く、旨味のきいた味わいと、すっきりした後口が特徴。旨味が引き立つ粉末茶を増量し、よりおいしく仕上げている。

■急須でいれたような緑茶の味わいが深化

コカ・コーラ『綾鷹』

京都・宇治の老舗茶舗「上林春松本店」の伝統的な技で「一番茶」の旨味、渋味、苦味が高い次元で調和されている。新「湯呑み型ボトル」を採用している。

■竹のデザインが際立つ新ペットボトルで登場

伊藤園『お~いお茶』

発売当初からの国産茶葉100%使用、無香料・無調味、「急須でいれた自然のままのおいしさ」にこだわりながら、まろやかな味わいをさらに向上させている。

文/編集部

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIME編集部

最終更新:7/31(月) 7:30
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