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浅田真央を見守ってきた佐藤信夫コーチが語る「スパイラルの魅力」

7/31(月) 17:10配信

webスポルティーバ

連載・佐藤信夫コーチの「教え、教えられ」(7)


 選手として、そして指導者として長年にわたり日本のフィギュアスケート界を牽引し、国際スケート連盟の殿堂入りも果たしている佐藤信夫氏。コーチ歴50年。75歳になった現在も、毎日リンクに立ち、フィギュアスケートを教え続けている。

【写真】アイスショー『ファンタジーオンアイス2017 新潟』 演技写真はこちら>

 その佐藤コーチが、今回はスパイラルについて語ってくれた。



 フィギュアスケートでは、ターンなどのエッジワークを含めたいろいろな動きのすべてをムーブズ・イン・ザ・フィールドといいます。今回テーマとして取り上げるスパイラルはそのうちのひとつで、フリーレッグがヒップラインよりも上にあると定義されます。一番分かりやすいポジションは、アルファベットのT字型になって滑る姿です。

 スパイラルとは「渦巻き」という意味です。スピードをつけて滑っても、同じエッジに乗っていれば、描く円の軌跡は蚊取り線香のように中心に向かって小さく、小さくなっていきます。そういう図形を描くということでスパイラルという名前が付いたのでしょう。

 スケートにはフォワードアウトサイド、フォワードインサイド、バックワードアウトサイド、バックワードインサイドという4つのエッジがあります。スパイラルもこうしたエッジの使い分けをします。途中でターンを入れたり、チェンジエッジを入れたり、いろんなことをしながら、いろんなスパイラルのかたちを作って滑ることになります。

 私が古い人間だからよけいそう思うのかもしれませんが、すごいスピードで何もしなくても滑ることができるというのは、とても魅力的なことだと思うんです。

 昔、アイスショーを始めた時に、舞台の振り付けでは日本でもトップレベルの先生が応援に来てくださったことがあるのですが、その先生が僕に「私にとってスパイラルというのはスケートの中では最高に魅力のある技なんです」とおっしゃった。「だって、何もしないでリンクの端から端までシューッと行っちゃうじゃないですか。あれは舞台の上では絶対にできない。だから私にはたまらないんです」と。そういう意味でも、スパイラルは人を惹きつける、とても素敵な滑り方なんだと思います。

 スピードに乗って滑れば、どんなスパイラルでも美しく見えてきます。私たちの時代でいえば、札幌オリンピック銀メダリストルのカレン・マグヌセン(カナダ)や銅メダリストのジャネット・リン(米国)は、スパイラルでリンクを1周するほど見せていました。競技用のプログラムの中ではなかなかそこまでの時間を費やすということはできませんが、エキシビションでは、そのスパイラルひとつで拍手喝さいでした。すばらしいスパイラルを見るのが楽しみだという人たちも多かったと思います。

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