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マイク・ペンス副大統領の野望 --- 渡瀬 裕哉

7/31(月) 18:57配信

アゴラ

共和党保守派の夢が潰えたトランプ政権

2017年7月最終週、オバマケア廃止・見直しの上院採決での否決、税制改革から国境税調整の除去(≒恒久的な大減税の放棄)など、共和党保守派の夢であった2つの改革案は政治的に葬り去られることになりました。もちろん連邦議会での共和党主流派・保守派の両派の戦力は均衡していることから、両案が恙なく成立する可能性は低かったものの、本年の議会内闘争は共和党主流派の勝利でほぼ完全に決着がついた形となります。

トランプ大統領はオバマケア廃止・見直し及び国境税調整の導入による大減税について、党内の取りまとめに向けて自ら積極的な指導力を発揮せず、ペンス副大統領、プリーバス首席補佐官(更迭)、議会共和党指導部に調整を任せきりとし、保守派有権者から連邦議会に課された責務である重要法案でほぼ何も成果を上げることができず、徒に時を過ごすことになりました。

共和党の連邦議員の中には、スーザン・コリンズ上院議員を始めとした名ばかり共和党員(党議拘束が無い米国では事実上民主党と同じ投票行動を行う共和党議員が存在)、ジョン・マケイン上院議員などトランプ大統領と人間的な確執を抱えた連邦議員、移民政策や国境税調整で対立する大富豪のコーク氏の影響下にあるリバタリアン系議員(保守派の一部)など、共和党の野心的なプランを実行する上での阻害要因は多数存在していました。

これらの障害を乗り越えるためにトランプ大統領のリーダシップが必要不可欠でしたが、その指導力は行使されることなく、上記の案を推進してきた共和党保守派の政治的な野望は事実上とん挫することになりました。そのため、既に共和党内からはトランプ大統領の指導力不足に対する不満が噴出し始める状況となっています。トランプ大統領は大統領本選時に分裂する党内で保守派からの支持を辛うじて得ることで勝利を手にした人物であり、トランプ大統領の同政策の実現に対する熱意の無さは支持者に対する裏切りだと看做される可能性があります。

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最終更新:7/31(月) 18:57
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