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【鳥栖】驚愕のハーフウェーライン弾! チョ・ドンゴンの一撃は“用意周到さ”が生んだ

7/31(月) 11:30配信

SOCCER DIGEST Web

「シュートした時に『入る』と確信していた」

[J1リーグ・19節]広島 0-1 鳥栖/7月30日(日)/Eスタ

 たったひとつのプレー、一瞬の判断が勝敗を分けた。75分に生まれた、ハーフウェーライン付近からのチョ・ドンゴンのスーパーゴール。
 
 広島のGK中林洋次がボールを追う、追う、そしてジャンプ。手を伸ばすが、届かない。ボールはゴールバーに当たって、ネットへと吸い込まれる。「継続していい状態を保てている」男によって、鳥栖は敵地で勝点3を得ることができた。
 
 ただ、「いい準備をしていたし、途中から出場する機会があったら必ず得点したいという想いを持っていた」という気持ちとは裏腹に、マッシモ・フィッカデンティ監督から交代時に告げられたのは守備についてだった。
 
「前線からしっかりとプレスを掛けるように、と。守備で貢献してくれと言われて送り出されました」
 
 その言葉通り、63分にピッチに立つとボールをしつこく追い回した。押し込まれ気味だった鳥栖にとって、パスコースやプレーを限定してくれるチョ・ドンゴンの働きはピッチ外から眺めているもの以上だったに違いない。
 
 そして、ゴールも陥れてみせた。いい意味で期待を裏切ったのだから、フィッカデンティ監督もホクホク顔だろう。
 
 そんな決勝弾はいかにして生まれたのか。試合後のミックスゾーンで、あの瞬間について本人に語ってもらった。
 
「トヨ(豊田陽平)がピッチの中央で相手DFとボディコンタクトしながら、しっかりと自分のところへボールを落としてくれた。うちは全体的に守備ラインが下がっていたので、逆に広島は押し上げている状態。GKも前に出ていたのは事前に確認していた。
 
 シュートを打とうと決断したのは、トヨからボールを受けたあと。ファーストタッチしてすぐですね。パッと前を見たら、想像していたとおりにGKの重心は前掛かりだったので、思い切って打った。
 
 それに、自分の前にいた相手DFの寄せも少し甘かった。最近の広島は寄せが弱いとゲーム前に分かっていましたから、そこも上手く突けたと思います。インパクト時に「上手く当てられた」という感触があったので、シュートした時には『入る』と確信していました」
 
 ゲーム前に相手を知り、ゲーム中にポイントを修正。それを頭の片隅に置きながら、駆け引きしながら、的確に急所を刺したのだ。
 
 約50メートルものロングシュートを決めたのは「サッカー人生で初めて」だと言うが、単なるラッキーではない。チョ・ドンゴンは、用意周到さによって観客を熱狂の渦に巻き込んでみせた。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

最終更新:7/31(月) 13:10
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