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日本の「モノづくり」目線では勝ち目はない

7/31(月) 6:00配信

JBpress

 「モノのインターネット」と呼ばれるIoT。漠然とした概念を理解できていない人も多いかもしれない。しかし、否が応にもIoTは日常に現れ、市場を破壊・創造していく。『人工知能は私たちを滅ぼすのか 計算機が神になる100年の物語』(ダイヤモンド社)が話題になった児玉哲彦さんは新著『IoTは“三河屋さん”である IoTビジネス教科書』(マイナビ出版)の中でIoTのわかりやすい説明とともに、生活がどのように変わっていくかを説明している。

『IoTは“三河屋さん”である IoTビジネス教科書』 (写真)

 今回はIoT Todayがメディアパートナーとなり、この新著の出版記念トークイベントが開催された。その中でのトーク内容について紹介していこう。

■ 70億のデバイスがインターネットにつながる時代

 「今回の本はタイトルの中で“三河屋さん”というキーワードが入っていますが、それがIoTの一番わかりやすいイメージなんです。IoTというものは技術なので、それが実際の生活に入ってくることを意識する必要があるのですが、それが三河屋さんなんですね。実際に自宅に三河屋さんが来る家庭は少なくなったと思いますが、生活の一部に御用聞きがいるというイメージは具体的にできる人が多いですよね。親密で継続的な関係、それがIoTも同じなんです」

 児玉さんはIoTが生活の中に溶け込むと強調する。今はインターネットにアクセスするために自分からアクションを起こし、端末に意識を向ける必要があるが、IoTが溶け込んだ生活ではちょうど良いタイミングで受動的にアクセスできるというわけだ。

 すでにインターネットにつながる端末数は70億を超え、人口を上回っている。生活と切り離せない存在になってきていることは疑う余地がないだろう。

■ ハード制作からプラットフォーム構築へシフトせよ

 そんな未来を迎える社会で、児玉さんが危惧しているのは日本のモノづくりだった。

 「日本は製造業が強かったし、モノを作る事業者も多い。だけど、IoTの世界になると変わらざるを得ないですね。高精度なもの、高品質なものを追い求める職人気質なモノの作り方ではいけないのではないかと思います」

 そこで児玉さんが例として挙げたのが音楽だ。

 「SONYのウォークマンは日本だけでなく、世界中でその精度の高さが認められています。ですが今世界中で多くの人が音楽を聞いているのは、iPod、iPhoneです。ここで注目したいのはiPodそのものだけでは、無価値だということ。音楽を入れることすらできないんです。iTunesで音楽をダウンロードしたりすることでやっと価値が生まれる。バリュー全体を形成するようなサービス、サービス主体の事業に製造業から変わっていかなくてはいけないということです」

 ハードだけ作るという時代は終わったということだろう。また、ハードにこだわりすぎることのデメリットも児玉さんは指摘する。

 「アクションカメラも流行りましたがハードだけ作っても真似されてしまいます。そのカメラがどういったサービスとつながっているかということが大事です。さらに細かく言うと、製造業は高品質なものを目指していますが、そうじゃなくていいというのがIoTです。iPodは単純な仕組みやインターフェイスを持ち、世界中で広がりました。高品質で高額なものでは世界中に広がらない。まずはプラットフォームを取るのが大切です」

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最終更新:7/31(月) 11:10
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