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中国資本で蘇った「超高級EV」は宿敵テスラの牙城を崩せるか?

7/31(月) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

● 超高級EV「カルマ」に第2世代登場 どんな新機軸が盛り込まれたのか?

 フィスカー・オートモーティブ社といえば、かつて10万ドル(約1100万円)を超える超高級EV(電気自動車)のカルマでその名をとどろかせた。第1号は2011年に俳優のレオナルド・ディカプリオに納車され話題になった。だが、フィスカーは13年に事実上の経営破綻に……。かつてテスラ・モーターズのライバルと目されていたフィスカー社は、中国最大手の自動車部品メーカー、万向集団(ばんこうしゅうだん)に1億5000万ドル(約164億円)で買収(15年)され、カルマ・オートモーティブ(本社:カリフォルニア州アーバイン)として生まれ変わった。

 それから2年、いよいよ第2世代モデルがデビューした。車名はレヴェーロ。社名のカルマをあえて外しているだけに意気込みが伝わってくる。予定価格は13万ドルで、カルマを3万ドル上回る。はたしてどんな新機軸が盛り込まれているのか。五星紅旗(中国国旗)に包まれながらカルマの伝統を継承するモデルに、早くも話題沸騰だ。

 レヴェーロはアーバインにあるカルマ本社のほか、サードパーティのディーラーを通して米国とカナダで一斉に発売となる。ディーラーはカリフォルニア州パサディナ、ジョージア州アトランタ、イリノイ州シカゴ、テキサス州フォートワース、フロリダ州パームビーチ、マイアミ、ミシガン州デトロイト、そしてカナダのモントリオールとトロントなどの予定だ。独自のディーラー網は持たないが、たとえばカリフォルニア州ではベントレー、ロールス・ロイス、マセラティなどを扱う超高級車ディーラーに委託される。

 レヴェーロのボディサイズは全長×全幅×全高4998×2133×1330m/m。最高速度は200km/h、最大航続距離は480kmである。最大の特徴がソーラーパネルだ。レヴェーロは太陽光発電による電力がバッテリーに蓄えられ、7時間太陽の下にいると560Wの電力を供給できる。また24分間でほぼ80%の充電が完了する。カルマ社は「必要なのは24分間の充電時間と、お日さまの下でのドライビング。それだけで、これまで経験できなかったような長距離走行が可能になる」とアナウンスしている。

 カルマ社にバッテリーを供給するのはA123バッテリー。もともと米国企業だったが、経営破綻で同じ万向集団に買収された。ひとつの企業がバッテリーとEVの双方を自社生産、という意味でもテスラのライバルとしての復活となる。

 レヴェーロのデザインはフィスカー・カルマを忠実になぞり、クラシカルながらもアグレッシブ、大人の心をくすぐる洗練された造形になっている。元来フィスカー・カルマにはコアなファンが多い。“カー・ガイ”として知られたあの元GMのボブ・ラッツ氏が、カルマのパワートレーンをガソリンエンジンに換えて販売していた時期もある。

● 復活カルマはテスラの牙城に どれだけ食い込めるか?

 今回もカルマ・オーナー80人がすでにレヴェーロを予約しているという。ひと味違う高級EVを求めるユーザーからは早くも熱烈歓迎の兆しが。

 カルマ社は「レヴェーロはデザインこそフィスカー・カルマと似ているが、システムとインテリアは一新している」と強調する。フィスカー社のカルマは、出火事故などでEVとしての完成度を問われ、経営不振に陥った。その苦い記憶を払拭するのに懸命という印象もある。

 このところ高級EV市場は熱い。ファラディ・フューチャーなど新たなベンチャー企業が続々と参入してきている。いまのところテスラ・モデルSが高級EVのトップに君臨しているが、その地位を脅かそうとさまざまな企業が工夫を凝らしている分野でもある。“復活カルマ”がどれだけテスラの牙城に食い込めるのか。早くも注目を集めている。

 (報告/土方細秩子、まとめ/CAR and DRIVER編集部)

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