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「千葉都民と千葉県民」プライドとローカルのせめぎ合い

7/31(月) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

● 千葉市を基点に 「千葉県民」と「千葉都民」

 千葉県の県民性を考える場合、なにはともあれ「千葉県民」と「千葉都民」のふたつの存在を認識しておかなければならないだろう。彼らは千葉市を境に分類することができる。

 ご存じのように「千葉都民」とは、通勤通学により東京で主な時間を過ごしている人々のことだ。千葉市を基点に北西部、つまり船橋、浦安、市川、柏、松戸などが主な千葉「都民」の居住域と言われている。千葉市までが「千葉都民」のエリアに入る。

 千葉から東京への流入人口は約74万人(平成22年国勢調査、総務局発表)で、千葉県全体の人口615万人のなかでも、かなりの割合を占めている。

 一方で、千葉市より東が「千葉県民」の住むエリアとなる。

 今回は、「鉄道」から千葉に暮らす人々の生態を紐解いてみたい。まずは、千葉都民たちが住んでいる2大路線、常磐線と総武線を見てみよう。というのも、沿線によってだいぶカラーが違うらしいのだ。

 JR常磐線とは、上野から北千住を通り、松戸、柏、我孫子といった北部の市を通って、茨城へとつながる路線だ。一方の総武線は、市川、船橋、津田沼を通り千葉駅へとつながっている。この2つの路線は様子が少し異なる。

 船橋市出身で総武線ユーザーの30代男性が言う。

 「常磐線は、松戸、柏あたりの人が乗ってるやつでしょ?チンピラ風体の人が乗っていたりして。 あっちにはほとんど行く用事がない」

 総武線沿線の津田沼在住の男性も言う。

 「常磐線は、正直同じ県内って感じがしない」

 常磐線を見下す総武線沿線の「千葉都民」のプライドは「都心までつながっている」点だ。

 「こっちは四谷、新宿、三鷹を通っていて、だいたいどこにでも行ける。常磐線は今でこそ品川までつながっているけど、やっぱり『上野まで』感がある」

 住みたい街ランキングの上位常連に名前を連ねるのも、船橋、津田沼、千葉といった総武線沿線の街だ。「千葉都民」たちの間では、絶対的な人気がある。

 一方で、常磐線沿線住民のプライドとしてぜひ紹介しておきたいのが「柏は千葉の渋谷」と主張する声だ。千葉からなら東京の渋谷も1時間ほどで行けるはずだが、「千葉の渋谷」とは一体どういうことか。

 千葉県民ではないが、千葉をよく訪れるという女性(水戸出身)によれば、こういうことのようだ。

 「柏は、茨城の人にとっての渋谷なんです。丸井や高島屋といったショッピングスポットがあるから、柏に出掛けます。柏に慣れたら東京に行く。つまり都内デビューの練習用の街になっています」

 いかに都会に近いか、都会らしさを感じられるか、という尺度で地元を推す様は、埼玉・神奈川へのライバル意識の裏返しでもあると思われ、首都圏ナンバー2を争う東京近県に共通して見られるものではないだろうか。

● ディズニー沿線の京葉線 千葉県民の評価は低い?

 さて、そろそろ「京葉線はどこへ行った」という声が聞こえてきそうだ。京葉線は東京湾の湾岸沿いを走る路線で、東京ディズニーリゾートの最寄りの舞浜駅や、千葉マリンスタジアム、幕張メッセの最寄りの海浜幕張駅などがある。イベントなどで訪れる機会も多いので、都内在住者にとっては一番馴染みがあるかもしれない。

 そんな京葉線を代表する街に浦安がある。千葉県内の地価ランキングで一番高いのは浦安で、近辺の高層マンションに住む奥様方は「マリナーゼ」と呼ばれるなど、震災による液状化被害を受ける前は新興住宅地として評価も高かった。

 だが、「千葉県民」からは、

 「浦安は成金的で微妙。もとは漁村でしょ」
「京葉線は都心への迂回路。浦安とかの新興住宅地に家を買った人向けの路線」

 とあまりイメージはよろしくない。“新参者”の街として、はたまた全国的にも有名なスポットとして、千葉の中でも頭ひとつ抜きん出た街に向けられる屈折した感情だろうか。

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