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ソフトバンク傘下の英アームCEOが語る、孫社長からの“要求”

7/31(月) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 ソフトバンクグループが半導体設計大手、英ARMを約3.3兆円で買収することを発表してから約1年。2016年に出荷された半導体177億個にその技術が使われるARMはどう変わったのか。サイモン・シガースCEO(最高経営責任者)を直撃した。(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)

 ──ソフトバンクグループによる買収発表から約1年。ARMにどんな変化がありましたか。

 買収完了は昨年9月ですが、それ以降、われわれは自らのビジネスにずっと集中できていて、長期的な視点での投資が増えました。

 それまでの株式公開企業の状態では、投資の際も売上高や営業利益を意識する必要がありましたが、ソフトバンク傘下になったことで、自由度が高まりました。将来を見据えた投資に対する制約が減り、積極投資が増えたのです。

 ──ARMの従業員数が増えているのもソフトバンク効果ですか。

 そうです、それも投資です。われわれは半導体の技術(IP)を提供する企業で、工場を持ちません。成長エンジンは人なのです。

 長期的な成長に向けて、開発者の他にも、次世代のニーズを探るマーケティング担当などを採用しています。もちろん買収されなくても人を雇っていたと思いますが、ここまで多くなかったでしょう。

 また、昨年9月以降、ARMも5社を買収していて、その人員増もあります。これまでも企業買収はしてきましたが、ソフトバンク傘下になって加速しています。

 ──企業買収の自由度も高まったということですか。

 われわれは戦略に基づき買収を実行しています。単に収益を伸ばすためではなく、IoT(モノのインターネット)端末にはどんな技術が必要かといった、技術ポートフォリオの構築を考慮する買収哲学は変えていません。

 ソフトバンク傘下になって変わったのは、戦略を素早く実行できるようになったことです。マサ(孫正義氏)はいつも、「Go Fast, Move Quickly(速く進め、素早く動け)」と言っています。

 ──IPの新規ライセンス数が前年から減っています。ソフトバンクの競合企業との契約に、悪影響が出ることはないのですか。

 ソフトバンクの競合というと、モバイル通信事業者でしょうか。そうした企業とはもともとライセンス契約を結んでいません。われわれが契約を結ぶのは半導体メーカーであり、そこから端末メーカーへと半導体が供給されます。

 モバイル通信事業者とは、次世代通信規格「5G」の方向性などで対話はしますが、ライセンス契約を結んだことはないですし、今後も結ぶことはないでしょう。

 新規ライセンス数の変動には、半導体業界の技術サイクルや、半導体メーカーの経営統合の影響もあります。ソフトバンクに起因したものではありません。

 ──半導体1個当たりのロイヤルティー収入は約5.5セント。孫さんから「もっとロイヤルティーを上げろ」と言われないのですか。

 昨年の時点で、われわれのビジネスモデルは変えないと表明しています。これまでもパートナーにどれだけの価値を提供できるかでロイヤルティーの価格を決めており、その哲学は変わっていません。

 ──孫さんは「今後20年でARMの半導体が1兆個になる」と力説しています。そのときのロイヤルティー収入のイメージは。

 今より増えるでしょう(笑)。ただ、あまり具体的に考えたことはありません。例えば半導体のマイクロコントローラが1000億個の時代が到来すれば単価も20セント程度になり、1個当たりのロイヤルティー収入は下がりますよね。

 とはいえ、IoTは今後あらゆるエレクトロニクス産業で使われるでしょう。1兆個の半導体が膨大な数の端末に搭載されれば、生成されるデータもかなりの量となり、通信ネットワークの拡張も必要ですし、データを保存するデータセンターも増えるでしょう。IoTの副次的な効果で利用される半導体の数が増えるので、成長マーケットだと考えています。

 ──ARMがソフトバンクを変えていることはありますか。

 無線通信の分野では、ソフトバンクやスプリントと5GやナローバンドIoTなどのネットワーク接続について連携を取っています。

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