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ゴルディロックス相場は夏バテするのか

7/31(月) 6:00配信

東洋経済オンライン

 今週からいよいよ8月になる。気象庁の3カ月予報(7月25日発表)によれば、日本は全国的に9月以降も残暑が厳しいと見込まれている。暑さ対策を万全にして、充実した夏を過ごしたいが、筆者は冷房の効いた室内と外出時の温度差に、既に夏バテ気味だ。

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 相場の世界では、8月を形容する代表的な表現として、「サマーラリー」と「夏枯れ相場」がある。「セルインメイ」の5月と、同様に売りが出るとされる11月の間に当たる8月に、ファンドのポジション調整の話が聞こえた年もあるが、今年は日米欧中央銀行の9月の会合待ちの端境期になる。

 それでも、VIX指数(ボラティリティ指数)が10前後の低水準にあり、変動率が高まるマグマは溜まりつつある。米国の株高と債券高が併存するゴルディロックス相場は継続できるのか、ここでは過去の事例を紹介しつつ、今年の8月を考えてみたい。

■過去の8月事例からは「地政学リスク」に注意

 過去の8月には突然かつ強烈な印象を与えるイベントが多かった。こうした中で筆者が選んだイベントは以下の7つ(古い順)。

 (1)1990年8月2日:イラクによるクウェート侵攻(1991年1月に湾岸戦争)、(2)1998年8月:ロシア通貨危機(翌9月に米大手ヘッジファンドLTCMが破たん)、(3)2000年8月11日:日銀のゼロ金利解除(2001年3月には量的緩和実施)、(4)2006年8月25日:日本のCPI(消費者物価指数)ショック(基準改定で予想下振れ)、(5)2007年8月9日:パリバ・ショック(2008年9月にリーマン・ショックへ)、(6)2011年8月4日:政府の為替介入と日銀の追加緩和決定、(7)2015年8月11日:人民元の切り下げ実施。

 以上、7つのうち4つは海外イベント。今年も真夏の夜の夢ではない海外要因から目が離せない。

 過去の事例に則れば、(1)は地政学リスクだが、今年はまず北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)発射懸念だ。米国メディアを主体に警戒報道が多く流れている。日本にとっては、その結果としてのリスク回避の円高進行が一番悪いシナリオだろう。一方の中東では、カタールの国交断絶は長期化の様相となっており、何かの拍子で政治的なバランスが崩れる可能性には注意したい。それでもOPECの減産合意とシェール革命(WTIなら1バレル=30ドル程度で採算)により、かつてのような原油高騰は想定し難いが、原油高とドル安が連動すれば、相場の混乱が大きくなる。

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