ここから本文です

お見合い相手は皇帝だった…!? 皇帝に見初められた少女が「自信を取り戻す」中華版シンデレラストーリー!

7/31(月) 17:30配信

ダ・ヴィンチニュース

「本気になるのが怖い」――『茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず』(石田リンネ/KADOKAWA)の主人公、晧茉莉花(こう・まつりか)は、人並み以上の「記憶力」を持っていながらも、目立つことを嫌い、常に一線を引いている後宮の女官だ。
だが、そんな彼女の世界を一変させる人物が現れる。それは、この国――「白楼国」(はくろうこく)の若き皇帝であった。
 7月21日に電子書籍が配信された本作は、自信を持たずに生きてきた少女が能力を見出され、国史に残る有名な女性官吏として名を残す――その、始まりの物語だ。

 

 女官の仕事をそつなくこなし、平穏な日々を過ごしていた茉莉花は、ある時、名家の子息のお見合い相手の練習を引き受けることになる。しかし、その場に現れたのは、なぜか皇帝の珀陽(はくよう)だった。
 眉目秀麗、頭も切れ、武芸にも秀でた有能皇帝・珀陽は、女官の茉莉花にとって雲の上の存在。だが、この見合いの日に、茉莉花の「記憶力」に気づいた彼は、彼女の才能に惚れ込み、官吏にしようと試みる。

「とりあえず、科挙試験に合格してきて」。優しげな雰囲気をまといながらも、押しの強さと「策士」な一面もある珀陽に、「現状維持」を望んでいたはずの茉莉花は抗うことができず、受験資格を得るため「太学」(たいがく)という学舎に入学することに。
 だが、そこは全国から「天才」が集まって来る最高学府。「物覚えがいいだけ」の茉莉花は、自信を喪失してしまう。やはり、自分には科挙に合格することも官吏になるのも無理だと諦めかけていた時、珀陽は「本気を見せてほしい」と茉莉花に告げる。
 珀陽の想いを受け、過去の経験から自身の「才能」を信じることができなかった茉莉花は、弱い自分と決別すべく、「本気」の努力を始める。そうしてやっと「科挙合格」への道筋が見えて来た矢先、珀陽が何者かの襲撃に遭い、行方不明だという報せが入り……。

 以上があらすじだが……たいてい私は、女性向けティーンノベルを読むと、皇帝の珀陽や、その側近でカッコ良くて才能のある男性陣に目がいく。しかし本作で一番好きなキャラは、茉莉花だ。
もちろん、珀陽のいつも笑顔で優男かと思いきや、したたかで強引なところもあり、秀才でひょうひょうとしている完璧超人ヒーローは大好きだ!……大好きだ!(大事なことなので二回言いました)。昔は悪ガキだったという設定もすごい好きだ!
 けれどやはり、本作は茉莉花が「どう変わっていくのか」を見届けたくて、夢中になって読んだ。ほぼ一貫して茉莉花の視点で物語が展開するため、彼女の迷いや、「自分を信じることが怖い」という葛藤、それでも努力をして報われた瞬間の「喜び」そして、自分を信じてくれた珀陽への想い……それら全てに、どっぷりと感情移入することができた。

1/2ページ