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日本の未来を正しく悲観 人口減少で起きること

7/31(月) 7:00配信

Book Bang

 廃(すた)れましたね、未来予測。きっかけはバブル崩壊と冷戦終結だったとして、それにIT革命、金融危機、大天災、原発事故その他いろいろが拍車をかけて、役人政治家学者メディアの予想の信頼度はガタ落ちだもの。

 それでも我田引水予測が尽きないのは、対象が“北京で蝶が羽ばたくとニューヨークでは”式の複雑系だから、という言いわけのおかげながら、不確実性では逃げを打てない分野もあって、人口はその代表格。

 世界大戦や死病の大流行でもないかぎり、ヒトの群れの増減は複雑系以前の古典力学で推測できる。できなきゃ世界中の生命保険会社が破綻するし、最近数少ない未来予測の徒エマニュエル・トッドの専門が人口学なのはダテじゃない。

 河合雅司の『未来の年表』も、サブタイトルにある「人口減少日本でこれから起きること」の数々を統計予測ベースで列挙していくから、未来予測として確度が高い。ニッポンの「おばあちゃん大国」化や「ひとり暮らし社会」化、認知症の高齢者や空き家の急増、東京の人口減少、全国規模での火葬場不足、社会保障の破綻懸念といったパニックあれこれが本格化しそうな年が明確に示されていて、問題からの逃れようのなさ、対策の効かなさ足りなさを思い知らされる。

 あわせて読むべきは河合の前著『日本の少子化 百年の迷走』(新潮選書)。産めよ殖やせよの御代から失敗してきたこの国の人口政策の歴史に触れて、正しく悲観していただきたく。

[レビュアー]林操(コラムニスト)

新潮社 週刊新潮 2017年7月27日号 掲載

新潮社

最終更新:7/31(月) 7:00
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