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新浪剛史の教え#6「マネージメントに必要なのはリスクを取ることだ」

8/1(火) 11:00配信

文春オンライン

 三菱商事、ソデックス、ローソン、サントリー……。私は社会人になってからこれまで、商社、外食、小売り、製造業と、さまざまな場所で仕事をしてきました。私がそこで何を考え、なぜ挑戦し続けることができたのか。現在までのキャリアの中から、本当に役立つエッセンスをこれからお話ししたいと思います。

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マネジメントは哲学だ

 前回の営業力に引き続いて、今回はマネジメント力をどう身に付けていくべきかについて考えてみましょう。私はこれまでマネジメントについて苦労を重ねてきました。マネジメントを論ずると、30代には、ノウハウの話になってしまいます。40代だと、ノウハウだけではなくなってきます。でも、これが50代になると、もう完全に哲学の話になってしまうのです。

 結局、マネジメントは実際にやりながら悩むしかないんです。私のビジネス人生の中で本当に「これだ」と思える答えなんて、ほとんどありません。稀にあるかもしれないけれども、そこにたどり着くには、人生の体験、つまり経験の“濃さ”が必要なのです。それは喜怒哀楽の濃さだと言ってもいい。マネジメントには人としての濃さが必要なのです。

上に立つ人ほど、自分の人間力が試される

 私は同世代よりも比較的早くマネジメント修行を始めました。30代半ばで給食事業を立ち上げて、「自分で決める」ということをやらせてもらってきました。マネジメントとは、簡単に言えば、誰かに頼って意思決定をしないということでもあります。そういう境遇にいると、逃げられないし、責任は常に自分にあります。

 そういう状況の中で、必死にもがいて自分で課題を解決しなければならない。そうしなければ何事も前に進まなくなってしまいます。もし、厳しい局面を前にして、打開策を見つけることができず、淡白にあきらめてしまうと、会社は潰れてしまうのです。

 大事なことは、自分自身がどれだけプライドを持って、マネジメントをやれるかということです。むろん経験の濃さというのは、年齢だけで測ることはできません。でも、やるべきことをやっていれば、30代半ばでも見えてくるものがあるということなのです。

 この経験の濃さに加えて、もう一つ大事なことはリスクを取ることです。悩んだり、苦しんだりして決断することが多ければ多いほど、自分のマネジメント力は高まっていきます。もし人の上に立つ人に、そうした経験がなければ、部下がどんなことで悩み、何に苦しんでいるのか理解することはできません。結局、マネジメント力はその人次第なのです。人の上に立って、部下たちのモチベーションをどう上げるのか。上に立つ人ほど、自分の人間力が試されるのです。

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最終更新:8/1(火) 11:00
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