ここから本文です

チャットボットが「セラピスト」になる時代がやってくる

8/1(火) 7:30配信

WIRED.jp

チャットボットがセラピストとして活躍する時代が近づいてきた。メッセンジャーなどによるテキストでの会話を通じてセッションを行うボット「Woebot」などが登場したことで、相手が人工知能であることによる思わぬ効能も見えてきたのだ。その一方、制度上の課題やプライヴァシーの問題なども明らかになってきた。

AIはヒトより優しくなれる

人工知能(AI)を組み込んだ自動対話技術「チャットボット」が世界を覆い尽くそうとしている。ここ数年で、ヴァーチャルエージェントは驚くほど慎重さを要求される仕事を引き受けるようになったのだ。

内戦から逃れてきたシリア難民をカウンセリングする。人口密度の高い都市に暮らす何百万人もの中国人に、静かに考え事をできる空間を提供する。オーストラリアで障害者給付制度を利用する人々を助ける──といった具合だ。こうして支援やサポートを提供し、人々の話し相手になってきた。

そんななか、まだどのボットも超えていない一線があった。患者の治療である。ところが最近、変化の兆しが見られた。会話を通じてセラピーを行うチャットボットが登場したのだ。名前はなんと、「Woebot」(悩めるロボット)という。米スタンフォード大学の心理学者とAIのエキスパートから成るチームが開発した。

匿名のアルゴリズムを相手に感情を発散

Woebotは、チャットでのちょっとした会話や気分を記録するツール「ムード・トラッキング」、キュレーションされた動画、単語ゲームの提供などを通して、利用者のメンタルヘルスをサポートする。Woebot Labs Inc.という企業が、1年かけてベータ版を構築、臨床データを収集し、サーヴィスとして提供を始めたばかりだ。月39ドル(約4364円)で、この愛嬌ある個人向けチャットボットが1日1回、様子を確認してくれる。

対面で対話する形式のセラピーは時間とお金がかかり、多くの人には敷居が高い。チャットボットはこの現実と理想のギャップを埋めてくれるかもしれない。さらに、Woebotの開発者たちはチャットボットの登場によりセラピストの質が向上すると確信している。

開発に携わった心理学者の1人で、Woebot LabsのCEOを務めるアリソン・ダーシーは言う。「この職についていながらこんなことを言うのはおかしいかもしれませんが、人間同士が関わろうとすると様々なノイズが発生します。他人から『お前はそういう人間なんだな』と決めつけられるのではないかという不安です。恥という概念の本質といってもいいかもしれません」。匿名のアルゴリズムに感情を発散することで、人からジャッジされる不安を払拭できるなら、それにこしたことはない。

1/4ページ

最終更新:8/1(火) 7:30
WIRED.jp

記事提供社からのご案内(外部サイト)

『WIRED Vol.29』

コンデナスト・ジャパン

2017年9月11日発売

630円(税込み)

『WIRED』VOL.29は1冊まるごとアフリカ大特集!「African freestyle ワイアード、アフリカにいく」南アフリカ、ルワンダ、ケニア etc

Yahoo!ニュースからのお知らせ