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アウトプットをイメージせずにインプットしてはいけない

8/1(火) 16:31配信

日経BizGate

情報収集自体が自己目的化

 私は情報を整理するとき、以下のようなやり方をしています。

 さまざまな情報に触れた際に、まずは必要か不必要かを判断して仕分けする。不必要と判断した情報は参照しないし、保存もしない。保存すべき情報は、タグ付けなどして整理をしておき、すぐに繰り返し参照できるようにする。

 このプロセスを繰り返していくだけです。具体的には、次のようにしています。

 私は、マーケティングを仕事にしていることもあって、全国紙や一般紙、地元紙、さらには各種雑誌など、多くの活字媒体に目を通します。こうした活字媒体を参照する際には、まず見出しを追って、「すぐに仕事に役立ちそう」「中長期的に、仕事に役立ちそう」といった観点から、読むべき記事を選び(【1】仕分ける)、その部分を破ってクリアファイルに入れ、残ったものはすぐに「【2】捨てる」のです。

 そして移動時などに記事を参照して、しばらく保管すべきだと思ったものだけをテーマごとにファイル化し(【3】整理整頓する)、それ以外の記事も捨ててしまいます。残すべきものは、ほとんどありません。

 それでは、「あっ、やはり必要だった」となって困ることはないのか、という疑問が出そうです。しかし、現在は多くの情報がデジタル化されていますから、自分で保存しておかなくても、必要とあれば、いつでも読むことができます。この方法を見つけてからは、短い時間でかなりの活字媒体を参照できるようになりました。

 私が読むべき記事を選ぶ際に重視しているのは、それを読むことによって、自分の仕事に具体的にどのように役立たせることができるのか、成果(アウトプット)を生み出せるのかをイメージすることです。

 アウトプットを具体的にイメージしないままにインプットをしては、絶対にいけません。それこそ、情報収集自体が自己目的化してしまい、ゴミの山に埋もれてしまうことになるからです。

効率を上げる情報、価値を上げる情報

 では、そもそも仕事の成果につながる情報とは、どういうものなのでしょうか。

 私は講演やセミナーなどで、「仕事は“価業“と“作業“に分けて考えましょう」というお話をよくしています。

 「価業」とは、成果を出すために価値を創造する仕事、「作業」とは、頭よりも手や労力を使う仕事と考えていただければ間違いありません。仕事に役立つという点から考えれば、世の中に広がっている多くが「作業」に関する情報です。いわば「スキル情報」とでも表現すればわかりやすいでしょうか。

 スキル情報とは、「Excelの困った!を解決」「Googleカレンダー活用術」といった、作業効率を高めることを助けてくれるものです。これらは、とても有益です。どんどん役立てていいと思います。

 けれども、仕事において作業効率を上げることは、「手段」であって「目的」ではありません。このあたり、スキル情報を収集し、身につけることに躍起になっている人もいますが、壮大な勘違いをしているかもしれません。

 このスキル情報、作業に直結するという面では、会計の知識を身につける、データ処理の実践方法を学ぶ、仕事に関連した最新の法律のツボを押さえる、といったテーマも含まれます。これらスキル情報は、雑誌や書籍、ネットなどでたいていはカバーすることができ、仕事を始めた初期段階では、自分自身を戦力化するという意味ではとても大切です。

 ただし、仕事にとっての目的は、「価業」で結果を出すこと、成果を上げることです。あいにく価業に関しては、ネットで調べても雑誌を読んでも、なかなか答えは見つかりません。そのまま真似をしただけで、すぐに成果につながる情報というものは、存在しないのです。

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最終更新:8/1(火) 16:39
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