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徳島ヴォルティスが大変貌。スペイン人指揮官のもとJ1昇格へ好勝負

8/1(火) 7:50配信

webスポルティーバ

 J2第25節、最大の注目カードだったと言っていいだろう。

 勝ち点47で首位に立つ湘南ベルマーレと、勝ち点43で3位につける徳島ヴォルティスの直接対決。徳島が勝てば、他の試合結果次第では首位に勝ち点1差まで肉薄することになる首位攻防戦は、しかし、湘南が2-0で勝利した。

【写真】J2を盛り上げるスペインの名将

 勝った湘南の2ゴールが生まれたのは、いずれも後半である。つまり、拮抗した試合は後半に動いたことになるわけだが、最終的に勝敗を分けたカギは、恐らく前半の攻防。それが伏線になった可能性は高い。

「徳島はボールを動かすことが得意で、(これまでの試合で)ショートコンビネーションで点を取る場面をたくさん見た」

 湘南のチョウ・キジェ監督がそう語っていたように、湘南はボールポゼッションに長けた徳島に対し、高い位置から積極的にプレスをかける作戦に打って出た。

 これにより、じっくりと下からボールをつないで攻撃を組み立てることができなくなった徳島だったが、それでもロングボールをうまく使い、いくつかのチャンスを生み出すことには成功した。長身のFW山崎凌吾をターゲットにし、セカンドボールをFW渡大生、MF島屋八徳が拾って前を向く形だ。

 ボクシングに例えるなら、手数で勝る王者に対し、数は少ないながらも的確にパンチを当てていく挑戦者。徳島はダウン(ゴール)を奪うまでの決定打こそ放てなかったが、効果的なパンチを繰り出しているかに見えた。

 しかし、さすがは首位に立つクラブと言うべきか。それでも湘南は慌てることがなかった。チョウ監督が語る。

「(ロングボールの出どころに)フタをしなければいけない部分もあったかもしれないが、長いボールを蹴られるからとラインを下げてしまうと我々のよさが出ない。裏を返せば、(徳島が)蹴らざるをえないプレスをかけているということ。心配はしていなかった」

 一方で徳島は、「1本目のロングボールで(セカンドボールを)拾えたので、それでいけると(いう気持ちに)なって、うちのサッカーはつないでいくのがコンセプトなのに、それ(ロングボール)ばかりになってしまった」と渡。MF杉本太郎もまた、「作戦のひとつとしては(ロングボールを使っても)いいが、それだけになったのではリズムはよくない」と振り返った。

 もしも湘南が徳島のロングボールを警戒し、プレスを緩めてラインを下げる選択をしていれば、徳島本来のパスワークに火がついた可能性もある。そうなれば、試合はまったく違う展開を見せていたに違いない。

 だが、湘南はそうはしなかった。

「とにかく、選手には『相手の嫌なことをしろ』と。(自分たちが前からプレスをかけ続けて)足を止めないことで、少しは徳島の特徴を出させない戦い方ができたのではないか。逆に相手の足が止まったときに、我々の走力を生かせた」

 チョウ監督はそう振り返り、「自分たちの土俵で試合ができた。自分たちのよさが出せた」と満足そうに話した。

 徳島は第18節でホームでの湘南戦に敗れて以来、6戦無敗(5勝1分け)を続けていたが、またしても湘南に黒星を喫し、その勢いはそがれた。渡は「湘南戦といっても、(対戦相手別に)21試合あるうちのひとつ。特に意識はしなかった」としながらも、「相手(の戦い方)に合わせてしまった感がある。向こうのほうがトータルで上回っていた」と、湘南を称えた。

 これで、湘南と徳島の今季リーグ戦での対戦成績は、湘南の2戦2勝。順位と勝ち点のうえでは接近した状況での対戦だったとはいえ、徳島から見れば、力の差を見せつけられたとも言える。徳島は前節、2位のアビスパ福岡をアウェーで破ったのに続き、上位叩きを狙ったものの、逆に首位との差を広げられる結果となった。

 とはいえ、この試合が、両者ともにハイレベルな攻防を繰り広げた好ゲームだったことは疑いようがない。お互いが相手の出方に応じた駆け引きを繰り広げながらも、プレー強度が落ちることはなく、非常に見応えのある試合だった。

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