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軽自動車にハイオク仕様がない理由とは

8/1(火) 11:20配信

WEB CARTOP

軽に求められるコスト要件と64馬力規制からハイオクを選ぶ意味が少ない

 ハイオクガソリンというのは、オクタン価が高いガソリンのことです。オクタン価というのは、ノッキング(異常燃焼)の起きにくさを数値化したものです。そのためオクタン価が高いと、エンジンの圧縮比を高くすることができ、その結果トルクが大きくなります。またエンジンの回転数を高くすることができるので、パワーも高くなります。そのためハイパワーを狙うスポーティなクルマや、高級車ではハイオク指定となっています。

かつてハイオク仕様が存在したスズキの軽自動車アルト・ワークスR

 ちなみに輸入車はほぼ全車がハイオク指定になっていますが、それはヨーロッパなどでレギュラーガソリンとして扱われているガソリンが95オクタンなのですが、日本のレギュラーガソリンは89オクタンなので不十分で、96オクタン以上であるハイオクガソリンが必要になるためです。

 ハイオクガソリンはレギュラーガソリンに対して、1リッター当たり約10%前後、価格が高くなっています。これはレギュラーガソリンに対して、さまざまな添加剤を加えることでオクタン価を高めるだけでなく、エンジン内部の浄化機能などを持たせているためです。最近は低コスト化も含めて、ほとんどのモデルがレギュラー仕様となっています。

 軽自動車でハイオク仕様の設定がないのは、ひとつはそうした運用コストの問題でしょう。低コストな軽自動車だけに、レギュラー仕様であることは大事な要件かもしれません。

 もう少し探ってみましょう。大きな理由は、すでに64馬力というパワー規制値が存在することです。それ以上のパワーを出すことはできないので、ハイオク仕様にしてパワーアップさせる意味がないのです。

燃料代ではなく燃料消費量で考えればハイオクのほうが有利になる

 しかし、そうはいっても、かつてはスバルがヴィヴィオR、スズキがアルト・ワークスRといったハイオク仕様モデルを登場させていました。それらはモータースポーツ志向のモデルだけに、速さを追求する必要がありました。

 それらは実際に走らせてみても、レギュラー仕様の64馬力モデルよりも明確に速かった記憶があります。
ちなみに、別にハイオク仕様を設定できない規制はありません。自動車メーカーの意志で自由に決めることはできます。

 しかし軽自動車の660ccエンジンというのは日本国内専用の、いわばガラパゴス規格です。輸出するのであれば95オクタン仕様のエンジンが作られることになりますから、国内向けハイオク仕様が生れる可能性もありますが、輸出仕様は存在しないので、一般的にはハイオク仕様は出てこないでしょう。

 エンジン技術を考えると、高圧縮化やダウンサイジングターボなど、ハイオクガソリンの有効性は高くなっています。ハイオク仕様か、レギュラー仕様か、その差は、そうした先進的なエンジンになればなるほど、大きくなります。

 とくに低回転域でのトルクの差が大きいので、燃費にガッツリと効いてきます。そういう意味では、基本全車ハイオク仕様にして、ガソリンの種類を一本化してコストダウンを図るほうが、一般的なユーザーにとってのメリットは大きくなることでしょう。

岡村神弥

最終更新:8/1(火) 11:20
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