ここから本文です

なでしこ、オーストラリア戦の教訓「パスは止めず、トトンと動かす」

8/1(火) 11:51配信

webスポルティーバ

 なでしこジャパンが戦う「トーナメント・オブ・ネイションズ」の第2戦が30日(現地時間)にサンディエゴ(アメリカ)で行なわれ、日本はオーストラリアに2-4で完敗を喫した。

【写真】川澄奈穂美をシアトルで発見!

 初戦のブラジル戦から中2日。飛行機移動を挟んでの厳しい日程で迎えた第2戦だった。高倉麻子監督は、最終戦(中3日)のアメリカ戦へ向けてのターンオーバーと、初招集組の実戦での力を見極めるため、7名を入れ替えた。だが、経験値の差が思った以上に試合に影響を及ぼす結果になった。

 リオデジャネイロオリンピック後、大きな世代交代がなかったオーストラリアは、今大会も招集メンバーの3分の2が大舞台の経験者たちだ。元々、サイド攻撃とDF裏への縦パスというシンプルな攻撃スタイルではあるが、そこにスピードとテクニックが加われば、大変な脅威となる。同じくAFC(アジアサッカー連盟)に身を置く日本としては、世界大会出場権をめぐって、必ず倒さなければならない相手でもある。

 第2戦の日本はかつてないほどチャレンジ色の強いメンバー構成だった。ゴールを守るのは池田咲紀子(浦和L)、最終ラインは高倉監督就任後に招集された市瀬菜々(仙台L)、高木ひかり(ノジマステラ)、北川ひかる(浦和L)と初招集の坂本理保(AC長野)というフレッシュな面々。ボランチは猶本光(浦和L)と隅田凛(日テレ・ベレーザ)のコンビ。右サイドハーフにはキャプテンを任された中島依美(INAC神戸)、左サイドハーフには中里優(日テレ・ベレーザ)、2トップは初戦同様、横山久美(AC長野)と田中美南(日テレ・ベレーザ)が入った。

 試合は初戦で課題となった決定力不足を解消するために、並々ならぬ意気込みで臨む攻撃陣の気迫が、開始後すぐさまゴールを呼ぶ。横山の蹴る左コーナーからつないで、最後は田中が押し込んで得た先制点は開始6分という早い時間帯に生まれた。

 しかし、ここからがマズかった。5分後に右サイドを破られ、サマンサ・カーにゴールを許すと、流れは一気にオーストラリアへ。その後も日本のミス絡みで再三ピンチを招き、前半のうちにカーにハットトリックを決められてしまう。後半にはPKを献上し、4失点目。ロスタイムに籾木結花(日テレ・ベレーザ)が一矢報いるも、すでに時間は残されていなかった。

 想像以上に乱れてしまったのは最終ラインだ。冷静に相手と対峙できるはずの坂本のイージーなパスミス、鋭い判断に定評のある市瀬が、空中でボールにヘディングできず引き起こしたカウンターからの失点など、バタつく守備を立て直そうとすればするほど、混乱は深まり、その歪みに引きずられるように中盤もズレていく。FW陣が待ち構える前線の裏を突くパスは全く出なくなってしまった。1失点目は仕方がないにしても、2失点目以降は防ぐ手はあっただけに、悔やんでも悔やみきれない大量失点となった。

 チームの熟成度からすれば、当然の結果かもしれないが、このスコアの差はそれだけではない。確かに日本の技術は高いレベルにある。しかし、オーストラリアはシンプルな攻撃だからこそ、ゴールに向かうための技術を身につけている。オーストラリアの1点目のチャンスを作ったヘイリー・ラソのファーストタッチには、日本とオーストラリアの決定的な差が顕著に表れていた。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか