ここから本文です

【バレー】「普通の女の子に戻るならそれでいい」 福井工大福井、指揮官がかけた“ゲキの真意”

8/1(火) 19:11配信

THE ANSWER

「東京五輪の星」上坂瑠子、4強敗退に涙…監督の“ゲキの真意”「まだアイツはできる」

 大きな瞳から涙がこぼれ出た。1日に行われた全国高校総体(インターハイ)の女子バレー準決勝、福井工大福井(福井)は東九州龍谷(大分)に1-2で敗戦。初の決勝進出ならず、大会注目のエースで主将の上坂瑠子(3年)は敗戦の瞬間、唇をかみしめた。

 1-1で迎えた第3セット。立ち上がりから5点連続奪取したが、中盤に追いつかれる接戦に。最後も23-21とリードし、勝利まであと2点としながら、サーブポイントを奪われるなど、4点連続で献上。まさかの大逆転負けを喫した。

「お前が試合で燃える姿を見たことがない」

 試合後、会場を出て行われたミーティング。鈴木定監督は雨が降る中、主将を厳しく叱責した。「練習試合でやっているのと一緒じゃないか。このままなら、ただの選手で終わるぞ」。前っ直ぐに監督の言葉を聞いていた上坂の頬を涙が伝った。

 中学時代にJOC杯で「オリンピック有望選手」に選ばれ、「東京五輪の星」の一人として期待を浴びた。高1でU-18日本代表に選ばれ、将来を嘱望される“ヒロイン候補”。日本代表でも活躍できるという期待があるからこそ、指揮官の言葉も厳しくなる。いわば、期待の裏返しだろう。

「まだアイツはできると思うんですよ」

鈴木監督は「いい時は凄いものがある」と称賛…ハートに課題「人がまだ素直」

 ミーティングを終えると、鈴木監督は穏やかな顔に戻り、“真意”を語った。

「人がまだ素直。ちょっと言うと、さっきみたいに涙を流す」。第3セット終盤、サーブレシーブでミスを犯したシーンがあった。今日のサーブポイントも人の好さ。ちょっとした弱さが出ている」。勝負所で弱気になってしまう。指揮官は心の隙を見抜いていた。

「高校を終えて、普通の女の子に戻るんなら、それでいい。でも、彼女の場合は上でやるというんだから。いい時は凄いものがあるし、ガッと(闘志を)見せる選手になったら、もっといい選手になれる。もうひと回り、春高までに大きくするには精神的なところで強くなれるか」

 期待を込め、鈴木監督は課題を挙げた。今大会は前年覇者・下北沢成徳(東京)を破って同校初の4強進出を果たした際、上坂は「ここを通過点にして日本一を目指したい」と語っていた。今大会で悲願成就とならなかったが、まだ高校生活に成長の余白は残されている。

 涙を残し、みちのくを去った背番号1。これを、輝く未来への再出発にしてみせる。

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

最終更新:8/1(火) 20:05
THE ANSWER

記事提供社からのご案内(外部サイト)

THE ANSWER

株式会社Creative2

アスリートを目指す子供たちや競技者の育成とスポーツの普及をテーマとした総合スポーツニュースサイトです。