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トヨタが新型カムリに賭けるのは“セダンの復権”

8/1(火) 12:00配信

日経トレンディネット

 トヨタはミッドサイズセダンの「カムリ」をフルモデルチェンジし、2017年7月10日に発売した。税込み価格は329万4000円~419万5800円で、月販目標は2400台。

【関連画像】ルーフの後端を延長して伸びやかなプロポーションに。結果的に後席の頭上空間が広がった

 Toyota New Global Architecture(TNGA)を採用したモデルの第3弾となる新型の狙いは、「セダンの復権」だという。「BEAUTIFUL MONSTER」という攻撃的なキャッチコピーにも、セダンの市場を活性化したいという思いが込められているという。

 新型はエクステリアとインテリアの両方でスポーティーさを強調しているが、これは原点回帰という側面もある。1980年に誕生した初代は「セリカ カムリ」と名付けられていたが、「セリカ」はベースを共用する1977年に発売された後輪駆動の2ドアのスポーツクーペ(ハードトップ)で、セリカ カムリはその4ドア仕様、後輪駆動のスポーティーセダンという位置づけだった。

 ところが2代目は機能性を追求した前輪駆動のクルマになり、名前もカムリに変更して輸出を開始。すると今や100カ国以上で販売され、累計販売台数は1800万台を超えるほどの、トヨタを代表する世界戦略車に成長した。特にメインマーケットである米国では15年間連続で乗用車販売台数No.1を記録するなど安定した人気を得ている。

 一方、国内では“ビジネスユースに適したオーソドックスなセダン”と受け止められ、ミニバンやSUVなどの好調の陰に隠れてしまっている。またカムリが売れている北米でも、SUVの好調を受けて、セダン市場そのものは縮小傾向にある。

 こうしたなかで、復活を目指して投入された新型カムリはセダンの未来を占う一台と言えるだろう。

プリウスやC-HRとは異なる新プラットフォームで高級車仕様に

 セダン復権の大きなカギを握るのが、TNGAを基にした新開発のプラットフォームだ。カムリはTNGA第3弾モデルだが、第1弾モデル「プリウス」や第2弾モデル「C-HR」とは異なるもの。前輪駆動の大型車向けに、デザインや走行性性能の向上するためエンジンや乗員のレイアウト位置を下げて低重心にし、高級車で人気となっている4ドアクーペのようなシルエットに仕上げたのだ。

 フロントマスクは、トヨタのデザインアイコンの一つである「キーンルック」(2012年発売の「オーリス」から採用された、正面中央のエンブレムから左右のヘッドランプまでフロントグリルがV字につながり、目が鋭く切れ上がったように見えるデザイン)をシャープにした印象。サイドとリアはルーフを後退させてトランク部分を短く見せ、スポーティーさを強調。ルーフの後退を下げることで後席頭上空間を広く保つことができ、ゆとりあるキャビンにもつながっているという。

 また運転席の視界を広げるなど、ドライバーを中心に設計したスポーティーなインテリアは、素材の見せ方や風合いにもこだわっており、上質さ演出にも気を配り、上級車にふさわしく作り込んだという。

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