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中国、下期もインフラ投資好調 日本の中国関連株にも好環境

8/2(水) 18:00配信

マネーポストWEB

 中国のインフラ投資が好調である。上期のインフラ投資は21.1%増で5月累計と比べ、0.2ポイント上昇、全体の固定資産投資に対して21.2%を占めている。全国固定資産投資の伸び率は8.6%増に過ぎず、それを大きく上回っている。上期の投資増加額に占めるインフラ投資の貢献度(寄与率)は46.5%で、インフラ投資が全体の投資を大きく牽引しているといえよう。

 インフラ投資の中身を少し細かくみると、中国経済の弱点部分を補い、増強する投資が大きく伸びていることがわかる。生態環境保護や環境対策などが46.0%増、公共設備などが25.4%増、道路などが23.2%増となっている。また、西部地区でのインフラ投資は22.9%増で、全体よりも1.8ポイント高く、また、全体の58.5%を占めている。西部地区への集中投資が続いている。

 インフラ投資は景気対策で増えているのではなく、長期戦略、構造改革によって伸びている。

 このように足元で好調なインフラ投資であるが、下期はどうなるだろうか?

 中共中央政治局会議が7月24日に開催され、足元の経済情勢の研究分析、下半期の経済運営などが決められた。内容をみる限りでは、下期も供給側改革が深く進められ、素材、エネルギー関連の価格は強含みとなりそうだ。また、金融面ではシステマティックリスクを防ぐとしており、投機の取り締まりは強化されそうだ。そうした中でも不動産市場を安定させるとしている。人口が増え続け、所得水準が上昇し続けている一線、二線都市においては、不動産の実需は大きい。

 さらに、経済の安定が強調されている。国際要因を含め、景気に大きな変動が起きるようなことが起きれば国務院が素早く対応するだろう。政治的には微妙な時期に差し掛かっており、景気を含め、すべてに安定が求められるだろう。

 下期は政策によってPPP(公民連携)プロジェクトの増加が見込まれ、2010年に大きなピークを付けた建機、トラックなどの更新需要も望めそうだ。遅々として進まない感もある一帯一路戦略であるが、国家の最重要戦略の一つであることは間違いない。下期もインフラ投資が増えやすい環境にあると言えそうだ。

 日本では、コマツ、住友建機といった建設機械メーカーの業績が好調である。その主な要因として、中国ビジネスの回復が挙げられる。秋の共産党大会後、景気減速するといった見方もあるようだが、現段階で、国務院が景気浮揚に注力しているといった事実はない。構造改革の一環として、下期もインフラ投資の好調は続きそうだ。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサル ティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。

最終更新:8/2(水) 18:00
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