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スポーツ観戦、好みのアングルで 映像技術の開発着々

8/2(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 スポーツ観戦などで好みのカメラアングルの映像を見られる「自由視点映像」の開発が進んでいる。KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市)は膨大な信号を半分に圧縮することに成功、2019年にもリアルタイム中継の実現をめざす。米インテルやキヤノンも独自の手法で開発に取り組む。20年東京五輪・パラリンピックの際には、スポーツ観戦の楽しみ方が大きく変わっているかもしれない。

■19年にもリアルタイム中継

 KDDI総合研究所は高精細な8K規格でスタジアムの4方向から撮った映像を同時に送信して、好みのアングルから見た映像のリアルタイム中継が実現できるように取り組んでいる。スマートフォン(スマホ)のほか既存テレビも専用の受信機を付ければ、視点を自在に変えて映像を見られるサービスを目指している。従来のスポーツ中継にはない臨場感が楽しめるが、圧縮技術を使っても毎秒320メガ(メガは100万)ビットの膨大な信号を送り続ける必要があった。
 新技術ではこれを半分の大きさに圧縮できるようにした。スポーツ中継の主役となる選手の映像と、観客席や競技フィールドなどの背景映像を区別する。選手の映像はより細かなブロックで、背景映像は粗いブロックに圧縮することで、8K映像4本を毎秒160メガビットで伝送できる。
 また、映像をリアルタイムで圧縮するために必要なコンピュータ処理能力も従来の4分の1に低減した。映像の複雑さを事前に把握し、負荷を予測して、複数のサーバーに処理を割り振る。カメラ映像ごとに単純にサーバーを割り当てる従来の方法よりも、サーバー能力を効率的に利用でき、処理能力を低減できるという。
 KDDI総合研究所によると、自由視点映像によるスポーツ中継の実現には、選手と選手の重なり合いを補完する技術の開発が必要だという。サッカーなどの試合では選手が重なる場所で、4つのカメラのいずれにも写らない部分が生じてしまうという。
 同社は事前に選手の3次元映像を得ておくことで情報を補完し、19年には自由視点映像のリアルタイム中継を実現したい考え。いまのところ特別な目算があるわけではないが、「いい機会があれば20年の東京五輪・パラリンピックで使ってもらうことを目標にしたい」と話している。

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最終更新:8/2(水) 7:47
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