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為替は理屈では勝てない 大切なのは流れに乗る俊敏さ

8/2(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 21世紀に入るか入らないかのころまでの外国為替市場はストラテジストの予想やインターネットなどの情報がまだ少なく、ディーリングは直感に頼らざるを得なかった。「すご腕為替ディーラーの至言」、今回は外為証拠金(FX)会社オアンダ・ジャパン社長の柳澤義治氏。発展途上の外為市場で、柳澤氏は百戦錬磨のディーラーが集った1980年代の米バンカース・トラスト(現ドイツ銀行)などでキャリアを積んだ。(以下談)。

■ファンダメンタルズでは語れない

 アナリストやストラテジストは予想をする際によくファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を持ち出します。為替レートは購買力平価や貿易収支で決まるとの主張もファンダメンタルズ理論です。でもよくよく考えると、購買力平価に深くかかわるインフレ率や貿易統計は得てして為替相場に左右されます。為替がファンダメンタルズを動かしているわけです。こうなると「ニワトリが先か、卵が先か」の世界で、因果関係がはっきりしません。
 金融・資本市場を流れるお金の規模は20~30年前とは比較にならないほど大きく、かつ複雑化しています。為替相場を一律に解き明かせる方法などないと割り切るべきでしょう。ファンダメンタルズ分析の基礎資料である景気指標も、米雇用統計や各国の国内総生産(GDP)のような重要な統計データでさえ過去にさかのぼって修正を繰り返します。あまり当てにはできません。

■為替からファンダメンタルズを占う動きも

 研究者もそのあたりは気づいていて、実際の注文状況などの膨大なマーケットデータを基に相場予想を試みる「経済物理学」のアプローチが既に始まっています。将来は為替市場からファンダメンタルズを占う流れが定着するかもしれません。
 実際の取引では「相場は理屈だけでは勝てない」と痛感すると思います。ディーリング歴が長くなると「何だかよくわからないけど動いたほうに付いたらうまくいった」といった類いの成功体験が積み上がってくるものです。特定の相場シナリオへのこだわりはよくない。大切なのはマーケットに先入観なく向き合い、需給の少しの変化も見逃さずに流れに乗る俊敏さでしょう。

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最終更新:8/2(水) 7:47
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