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対格安スマホで苦戦 ドコモ株は売りか(窪田真之)

8/2(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 NTTドコモが、格安スマートフォン(スマホ)との競争激化で苦戦しています。2017年4~6月期の連結決算(米国会計基準)は本業のもうけを示す営業利益が前年同期比7%減でした。格安スマホに顧客が流出するのを防ぐための販売促進費がかさんだためです。
 総務省によると、国内の格安スマホの契約数は3月末時点で1586万件と、前年同期比で25%も伸びました。格安スマホは携帯通信の契約数の1割弱を占め、格安スマホの事業者は600社を超えます。
 攻勢を強めているのがソフトバンク傘下のワイモバイルと、KDDI傘下のUQモバイルです。ドコモは傘下に格安スマホのブランドを持っていないため、本体で割引プランの拡大など対抗策を取らざるを得なくなっており、それが収益を圧迫し始めています。最近は株価も下落傾向にあり、もしドコモ株を保有していたら、売り時に悩む個人投資家の方もいらっしゃるでしょう。

■足元で配当利回りは急上昇

 結論からいうと、私は今あわてて売る必要はないと考えます。保有していなければ、少しくらい買ってみてもいいと思います。私は過去25年間、日本株のファンドマネジャーをやってきました。主に企業の実態に比べて株価が安く放置されている「割安株」への投資で、東証株価指数(TOPIX)を大幅に上回るパフォーマンスを上げてきました。今、私がファンドマネジャーならばドコモは割安株の一つとして、投資する価値があると考えます。なぜなら配当利回りが高く、魅力的だからです。
 一般に配当金が変わらなければ、株価が下がると配当利回りは上がり、株価が上がると配当利回りは下がります。ドコモ株は足元で予想ベースの配当利回りが3.9%まで上昇しました。同社が配当金を増やす中、株価は格安スマホとの競合激化で下がっていますので、配当利回りが急上昇しているのです。
 それではグラフを使って、15年来のドコモの株価の動きを説明します。グラフの(1)~(4)は以下の通りです。
 (1)15年前半~株価が上昇
 顧客獲得を巡る争奪戦でソフトバンクに陰りが見られる一方、ドコモは回復してきたことを好感し、株価が上昇しました。
 (2)15年9月~株価が急落
 安倍晋三首相が総務省に家計に占めるスマホへの支出の引き下げを指示。ドコモをはじめ、携帯3社の株式は買いにくいとのムードが広がりました。
 (3)16年前半~株価が上昇
 総務省主導のスマホ料金の引き下げは結局骨抜きになり、ドコモは業績好調でしたので、株価が上昇しました。総務省は代わりに、新規加入者への「ゼロ円スマホ」の提供禁止に執念を燃やしました。これは逆に携帯3社の収益にプラスとなりました。新規加入獲得のために、多大な販売促進費をかけなくて済むようになったからです。
 (4)17年前半~株価が下落
 ゼロ円スマホ禁止は、良いことばかりではありませんでした。これまで販売奨励金を使って販売されてきた高機能(高価格)スマホが次第に売れにくくなったからです。代わって格安スマホの販売が伸び、ドコモの株価は下落しました。
 それではドコモの株価は今後どうなるのか。一段と下落するのでしょうか? 私はそうは考えていません。ドコモの収益が、格安スマホの影響で圧迫されているのは事実ですが、株価の面では下支え要因があります。良好な財務です。

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最終更新:8/2(水) 7:47
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