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「味はウチが上なのに…」 国内4位のサッポロ、「完璧な黒ラベル」で挑む戦い

8/2(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 サッポロビールの武田悟季(42)にとって今年は最高に満足の夏だ。「サッポロの『黒ラベル』が好き」――。たったそれだけの理由で入社した。2015年から黒ラベルのブランド戦略を担当するシニアマネージャーとして前線で指揮を執る。一つ間違えば会社の経営を左右しかねない重責だ。国内市場のビール類のシェアは4位にとどまるが、サッポロホールディングス(HD)の尾賀真城社長も発泡酒や第三のビールではない「ビール回帰」を宣言。肩がぎっしりきしむほどの思いだが、味には強い自信がある。そんな思いで斬新なブランド戦略の構築に試行錯誤、「趣味のサーフィンはこの夏はお預け」だ。

■パーフェクト黒ラベルは700店

 50%未満――。「パーフェクトな『黒ラベル』が出せる飲食店試験」の合格率だ。ビールのつくり手側と売り手側の関係はなかなか微妙で、つくり手側が「こういうふうにお客さんに提供してもらいたい」と思う方法で出してくれる飲食店は実は少ない。
 「うちの生ビール『黒ラベル』の出し方は完璧ですよ。是非、見てみてください」。申し出があった飲食店に抜き打ちで潜入、チェックしてみると、なかなかどうして……。合格点を出せない飲食店が半分以上だ。現時点でようやく全国で700店の飲食店が「パーフェクト黒ラベルの店」として認定できた程度だという。
 「黒ラベルほどいいビールはない。もっともっと良い状態でお客さんに出してもらえれば、ファンはさらに増える」と武田は強調する。

■最高のビール 3つのC

 武田に言わせれば、「最高の黒ラベルというのは3つの“C”が整っていること」だ。まず、1つ目のCは「Creamy(クリーミイ)」。泡はとにかくきめ細かくソフトクリームのように。そのためにビールを注ぎ方は重要だ。そっと傾け静かにやさしくそっとつぐ。もし、泡が粗くなりすぎたら、専用ナイフでばっさり削って専用の注ぎ口からクリーミイな泡を乗っける。生ジョッキの味はまず最初の一口。「ああ、おいしい」。そう思ってもらうには、とにかく最高の泡をビールの上にきちんと乗せることだ。
 2つ目は「Clear(クリアー)」。ビールの味は注ぐジョッキの状態だけで天と地ほど味が変わる。専用のシンクでしっかり洗う。できればジョッキ専用のシンクがあったほうがいい。ビールはきれい好きだがら、油分や水滴の跡が残っているなんてもってのほかだ。サーバーもきっちり掃除、一切の混じり気を取り除く。
 そして、最後は「cold(コールド)」。温度は生ビールの生命線だ。ただ、むやみに冷えていればそれでいいわけではない。「黒ラベル」の場合、大切なのは適度に冷えていること。理想はセ氏2~6度。それ以上、冷えると、ビール本来の味や香りを感じにくくなる。せっかくうまみたっぷりのビールが台無しだ。

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最終更新:8/2(水) 7:47
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