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藤井四段 「進学」か「中卒」か、どっちがいいのか

8/2(水) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 天才棋士・藤井聡太四段(15)が、中学生最後の夏を迎えている。「夏休みは時間的にかなり余裕ができるので、強くなる機会。有効に活用して頑張りたい」──そう語る藤井四段は、近く大きな決断を迫られる。来年4月に高校へ進学するのか、それとも将棋一本に専念するのか、だ。

『週刊ダイヤモンド』(7月8日号)のインタビューでも〈学校に行くと時間的な制約がかなり増えますので、高校進学については迷う気持ちというのはあります〉と打ち明けている。

 藤井四段は「勉強」でも優等生である。現在通う名古屋大学教育学部附属中学は、中高一貫校だ。「受験なしで附属高に進学できるので、とくに藤井四段のお母さんは進学を強く望んでいるようです」(将棋雑誌記者)という。

 いくら天才棋士とはいえ、「中卒でプロ一本」を選ぶより「つぶしの利く進学」を―と考えるのは親なら当然だろう。これまで中学生でプロ棋士になった4人の「先輩」(加藤一二三九段、谷川浩司九段、羽生善治三冠、渡辺明竜王)も、いずれも高校進学を選んでいる。

 それでもなお、藤井四段が「中卒」という茨の道を選ぼうとするのはなぜか。前出・将棋雑誌記者がいう。

「記録へのこだわりが大きいのではないか。タイトル獲得の最年少記録は屋敷伸之九段が持つ18歳6か月(1990年に棋聖獲得)で、約3年6か月の猶予が残されている。また羽生三冠が初めて竜王のタイトルを手にしたのは19歳のときでした。藤井四段なら将棋に専念すれば最年少記録を更新する可能性はぐっと高まる」

『棋士とAIはどう戦ってきたか』などの著書があるルポライター・松本博文氏もいう。

「将棋に『遅咲きの天才』というのはまずない。10代後半は頭脳が柔軟で一番棋力が伸びる時期。だからこそ藤井四段は“少しでも時間が惜しい”と考えているのではないか。藤井四段は天才中の天才です。膨大な時間を将棋に費やせば、過去の天才をはるかに凌ぐ可能性はあります。ただし学業との両立も悪いことばかりではありません。生活にメリハリができて時間の管理がしやすくなる。いずれにしても大事なのは彼自身の選択です」

 藤井四段が指すのは、どちらの“勝負手”か。

※週刊ポスト8月11日号