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北海道の「名低山」は、礼文岳、札幌岳、チセヌプリ 山好きも、山初心者も必見! 47都道府県「日本百低山」ガイド その1<日本百低山>

8/2(水) 6:01配信

幻冬舎plus

 北海道から沖縄まで、ふるさとの「名低山」100座を山岳ガイド協会所属のプロが紹介した『日本百低山』(日本山岳ガイド協会編)より、各都道府県の「名低山」をご紹介。
第1回は、北海道の「名低山」礼文岳、札幌岳、チセヌプリから、「札幌岳」を。

 札幌岳 sapporodake 札幌市 1293m

 札幌、羊蹄山の遠望
下山して定山渓温泉も

 札幌岳は、札幌市街地を流れる豊平川の源流にある。札幌の語源は、アイヌ語の「サッ・ポロ・ペッ(乾く、大きい、川)」(幕末の探検家、松浦武四郎説)で、豊平川の扇状地にあたり、夏に乾いた河原ができるので、こう呼ばれていたらしい。

 登山コースは、豊滝と冷水沢の2ルートあり、ここでは一般的な冷水沢コースを紹介しよう。登山口は豊ほう平へい峡きようダム手前の冷水トンネル入り口前にある。バス利用の場合、じょうてつバス「豊平峡温泉」行きで終点下車、登山口まで約1キロ歩く。車利用の方が利便性が良い。登山口には20台ほど駐車できる。

 登り始めてすぐカラマツの植林地を越える。この辺りは、1954年の洞爺丸台風で大きな被害があったところで、台風高原と呼ばれている。植林地は日陰で涼しい。沢沿いの道は木漏れ日が気持ち良く、この辺りを歩くだけでも爽快になる。林床には、エゾノレイジンソウが咲いている。林道を横断後、沢沿いの道を2~3度飛び石伝いに小川を渡り、やがて冷水小屋に着く。小屋の前には冷たい沢水が流れていて、ひとときの清涼感を味わえる。小屋は管理人のいる土日に、有料で利用できる。ここからは標高差240メートルの急登の尾根に取り付く。登り切るとなだらかな頂上台地に出る。ダケカンバやチシマザサに覆われ、小1時間ほど歩くと突然、視界が開け、頂上に達する。

 1等三角点のある頂上は展望が良く、札幌市内や支笏湖方面、後方羊蹄山(羊蹄山=1898メートル)などが望める。南東方向には空そら沼ぬま岳だけ(1251メートル)も望め、ブッシュの多い縦走路がある。頂上には、ゴゼンタチバナやウコンウツギ、コケモモなどが咲いている。

 下山は往路を戻る。バス停近くに日帰り温泉の豊平峡温泉があり、本格的なインド料理も食べられる。登山口手前の定山渓温泉もお勧め。ここは江戸時代の僧、美みい泉ずみ定じよ山うざんが開湯した歴史のある温泉街である。登山口近くの定山渓わいわいふぁーむでは、サクランボやリンゴ狩りを楽しむことができる。
(日本山岳ガイド協会正会員 辻野健治)

 ガイドの目
登山道は明瞭で、沢を渡る所も丸太や石がある。冷水小屋からの急登では道がえぐれており、滑りやすく注意が必要。登山口や山中にトイレはない。事前に済ませるか、携帯トイレの使用をお願いしたい。冷水小屋の前の沢水は、浄化していないため、飲用には向かない。頂上台地には6月中旬まで残雪がある。視界不良時には、道を見失うこともあるので、気を付けてほしい。ヒグマの生息地に入る。遭遇を避けるため、鈴などで音を出し、人間の所在を知らせるのがよい。

 参考タイム
登山口(1時間30分)-冷水小屋(1時間20分)-山頂(1時
間10分)-冷水小屋(1時間20分)-登山口

最終更新:8/2(水) 6:01
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