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新種のカエル3種を発見、ブドウ粒大

8/2(水) 7:20配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

ペルーのプイプイ森林保護区にほぼ初めて研究者が分け入った

 まばたきしてはいけない。目をつむっているすきに、ペルーで新たに発見された3種の極小カエルに逃げられてしまうかもしれない。ブドウの粒ほどの大きさのカエルが発見されたのは南米ペルー中央部にあるプイプイ森林保護区。最も近い町からも2日かかる、ほとんど誰も寄り付かない土地だ。

【写真】プイプイ・ラバー・フロッグほか新たに見つかった残り2種のカエル

「ここの生物、なかでも両生類と爬虫類を中心に現地調査をした研究者は、私たちが初めてでした」と語るのは、調査を率いた米イリノイ・ウェズリアン大学の生物学者エドガー・レア氏。「なぜ今まで誰も行かなかったのか、やっとわかりました。なにしろ行くのが大変なのです」。同氏は、ナショナル ジオグラフィック協会の支援を受けている。

 レア氏のチームは、2012年から2014年にかけてこの森に約3カ月滞在し、カエルを見つけ出すため、草、石、コケや小さな植物の間をくまなく探した。

 新種のカエルはそれぞれ、プイプイ・ラバー・フロッグ(学名Pristimantis puipui)、フンボルト・ラバー・フロッグ(学名Pristimantis humboldti、ドイツの博物学者兼探検家アレクサンダー・フォン・フンボルトにちなんでいる)、ヒル・ドウェラー・ラバー・フロッグ(学名Pristimantis bounides)と名付けられた。

 レア氏によると、この3種が仲間入りするCraugastoridae科の陸生のカエルは、現在約500種が確認されている。

死を招くカビ

 7月27日付の動物分類学の学術誌「Zootaxa」誌に論文を発表したレア氏は、今回発見されたカエルは、幸運にも保護区に生息しているが、それでも生息地の喪失や気候変動など数々の脅威にさらされていると指摘する。

「生態系を保護しようにも、その詳細を知らなければ話になりません。ですから、そこに何が生息しているのかをまず探り出す必要があります。そうして初めて個体数の変化を確認して、種の存続が危ぶまれているのか観察することができます」

 最大の懸念はツボカビだ。この致命的なカビによる感染症が、世界中のカエルを破滅に追いやりつつある。

 プイプイ森林保護区を調査した研究者たちが、新種のカエルから皮膚サンプルを採取したところ、いくつかの個体がツボカビ症に感染しているのが確認された。

「もちろん、これが種にとって何を意味するのか、現時点ではまだわかりません。しかしカビが存在したことを記録するのは重要です」と、レア氏は語る。

「何度繰り返しても、飽きません」

 今年の初め、レア氏たちは前述の他にも2種の極小カエル、アッテンボロー・ラバー・フロッグ(学名Pristimantis attenboroughi)とアシャニンカ・ラバー・フロッグ(学名Pristimantis ashaninka)を発見している。

 3年にわたる調査の結果、研究チームは計14の新種の極小カエルとトカゲを発見した。この発見に関しては、後日論文になる予定だ。

「今まで知られていなかった新種を両手に乗せている気分は、たまりませんね」と、レア氏は言う。「何度繰り返しても、飽きません」

文=Hannah Lang/訳=潮裕子

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