ここから本文です

憲法改正発議案の作り方 --- 早川 忠孝

8/2(水) 16:09配信

アゴラ

安倍総理がうっかり口にして多くの有識者から大目玉を喰らってしまったことがあるが、総理大臣は絶対に立法府の長などではない。

三権分立の意義を十分呑み込んでさえいれば、国権の最高機関として位置付けられている立法府である国会に対してもっと敬意を表するような物言いをしたはずだが、衆議院と参議院の両院で与党が3分の2を超える圧倒的な議席を獲得しているという思いが、安倍総理の感覚をいつの間にか狂わせてしまっていた、ということだったろう。

憲法改正の発議権は国会にしかない、ということが得心出来れば、憲法改正発議案の作成は立法府である国会にお願いしたい、国会議員の皆さん、くれぐれもよろしくお願いいたします、と頭の一つくらいは下げたくなるはずである。

自民党一強政治とか安倍一強政治などと言われている内につい頭が高くなっていたのだと思うが、ここは思いっ切り頭を低くして国会議員の皆さんにお願いしたらいい。

国会議員一人一人もよくよく考えれば国民の代表者なのだから、国民の意思を無視したり、国民の利益に反するようなことは出来ないはずである。

安倍さんが総理の間は絶対に憲法改正の発議などさせない、などと息巻いておられる向きもあるようだが、憲法改正発議案の内容次第ではむしろ積極的に憲法改正の発議に踏み切った方がいい場合もあるはずなので、安倍総理の頭の下げ方が良ければ、無碍に袖を振り払うようなことはしない方がいい。

私に憲法改正発議案を示せ、などと要求されている読者の方がおられたが、そういう仕事は現職の国会議員の方々にお願いするのが筋だろう。
叩き台、叩かれ台を示せ、と言われれば、それなりに私案を提示してもいいが、私が思いつく程度のことはどなたでもお考えになるだろうから、ここは現職の国会議員の方々に頑張っていただくのがいい。

特に必要であれば、然るべき有識者に集まっていただいて、案を練ればいいだけの話である。

天皇の譲位(生前退位)を認める皇室典範特例法案をまとめ上げ、しかも衆参両院でほぼ全会一致に近い状態で成立させることが出来た今の国会には、どんな難しい問題でもそれなりに対処できる能力がある。

自民党に所属する国会議員も民進党に所属する国会議員も、さらには自民党本体も民進党本体もそれぞれに様々な問題を抱えているが、それでも、今の国会には、様々な懸案事項を解決する能力が備わっていることは間違いない。

大事なことは、手順を間違えないこと。
恃む相手を間違えないこと、である。

安倍総理は、いつまでに結論を出していただきたい、というおおよその希望を示されるくらいでいいはずである。

いつまでに結論を出せばいいかは、阿吽の呼吸で分かるものである。

1/2ページ

最終更新:8/2(水) 16:09
アゴラ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

アゴラ-言論プラットフォーム

アゴラ研究所

毎日更新

無料

経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム