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フラッシュに照らされた夜の遊園地が生み出す、不気味で幻想的な風景

8/2(水) 19:10配信

WIRED.jp

昼間は子どもで賑わい楽しげなムードに包まれる遊園地は夜になると一変し、まるで遊園地全体がお化け屋敷と化したような雰囲気を漂わせている。写真家ステファノ・セリオの作品『Night Games』は、見慣れているようで決して見たことがない、知られざる遊園地の姿を明らかにしてくれる。

見慣れているようで決して見たことがない!知られざる遊園地の姿

遊園地とは、夢と希望に満ちあふれていて、老若男女あらゆる人々を楽しませてくれる場所だ。少なくとも、昼の間は。では、夜の遊園地とは一体どんな場所なのだろうか?

ローマとパリを拠点に活動する写真家、ステファノ・セリオが夜の遊園地を撮影した写真には、遊園地全体がお化け屋敷と化してしまったかのような不気味な雰囲気が漂っている。

セリオはかつて『Chinese Fun』と題し、どこかノスタルジーを感じさせながらも奇妙なモニュメントが集められた中国のアミューズメント施設を撮影していた。さらに『Night Ski』と題したシリーズでは、夜のスキー場を撮影している。暗闇で視界がさえぎられ、ひと気の感じられない夜のスキー場は恐怖を喚起する。そしてこれらふたつの作品をいわば合体させ、夜の遊園地をまとめたのが『Night Games』という作品だ。

何もセリオは子どものように遊園地を愛していたわけではなく(むしろ遊園地のアトラクションに乗ると彼は吐き気を催してしまう)、孤独を感じさせる人工的な環境に関心を抱いていたのだという。「わたしは自分の好きな場所を撮るのが好きではないんです。むしろ嫌いな場所を撮ることに興味があります」とセリオは語っている。

彼は前出の『Chinese Fun』や『Night Ski』と並行し、8年の歳月をかけてニューヨークやヴェローナ、ローマなど各都市の遊園地を撮影して回った。撮影にあたって高額の撮影料を請求されることもあったため、ときには遊園地の外からストロボをたいて撮影することもあった。ストロボの直接的な光は被写体となる遊具を暗闇のなかに浮かび上がらせ、不気味でありながらもどこか幻想的な世界をつくり上げている。

「(これらの風景は)普段は決して見られないものですが、実は常にわたしたちのすぐそばにあるものです」とセリオが語る通り、これらの遊具がその地の人々にとって馴染みのものであり、『Night Games』から漂う不気味さはセリオのライティングによって演出されたものだ。それはつまり、わたしたちが普段見ている遊具から漂っている楽しそうなイメージもまた、遊園地の照明や自然光によって演出されたものにすぎないということでもあるのだ。

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最終更新:8/2(水) 19:10
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