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老舗メーカーのプライドが生んだヒット商品『KOIKEYA PRIDE POTATO』開発秘話

8/2(水) 7:31配信

@DIME

昨年の台風被害で原料不足に陥ったポテトチップス業界。影響を予測していたものの、大ヒットゆえ生産が追いつかなくなっている商品が。

■多すぎず、少なすぎずの「適量」もカギ

湖池屋『KOIKEYA PRIDE POTATO』
オープン価格(実勢価格約150円)

日本産じゃがいもを100%使用。創業者が愛したのり塩がベースの「秘伝濃厚のり塩」、いもの甘さに、かつおとこんぶの旨味が絶妙にマッチした「松茸香る極みだし塩」、網焼き風の「あぶり」がポイントの「魅惑のあぶり和牛」。全3種類。各63g。

◎創業時の原点に立ち返りリスタート

 社屋は純和風旅館のような佇まい。その「湖池屋」が今年2月に発売したのは、プレミアムポテトチップス『KOIKEYA PRIDE POTATO』ーー

 想定以上の売れ行きに供給が追いつかず、一部商品の販売が休止された。年間で20億円売れればヒットと言われる中、わずか2か月で約10億円を売り上げたオドロキの商品だ。それにしても、湖池屋といえば『カラムーチョ』『ポリンキー』といった名物スナック菓子でおなじみの老舗。なぜ今、高級ポテトチップスを? その仕掛け人とも言うべき、佐藤章社長を直撃した。

 佐藤社長は、キリンホールディングスの出身。『生茶』『キリンフリー』といった数々の人気飲料を世に送り出してきた、稀代のヒットメーカー。

「就任後すぐ、新CIを導入、当時『フレンテ』だった社名を、創業時の『湖池屋』に戻し、再び原点に戻ろうと考えたんです。その時、浮かんだのが『和』『老舗』のキーワードでした。
 湖池屋は、日本で初めてポテトチップスを大量生産した老舗。創業者の小池和夫は、長野県の諏訪の出身で、諏訪湖の大きさにならって、あえて『湖』の文字を使い、『湖池屋』としたんですね。ならばその思いも込めて、漢字の『湖』をシンボリックに表現したロゴマークにしようと。六角形はおめでたい亀甲形も意識しています」

 そして、このCIと並行して行なわれたのが、新生・湖池屋の象徴となる新商品の開発。それが『KOIKEYA PRIDEPOTATO』だった。

「創業者は創業時に、本当に熱心に研究をして、ポテトチップスを作りあげた。『じゃがいもを揚げる時は広がるように。揚がった時にポテトチップスが立つと油切れがいい』と。その膨大な資料を目にして、これをコンセプトにしようと考えました。当社は100%国産じゃがいもを使っていますが、それを知らない方も多い。国産原料、職人のプライド、初代の情熱という原点に戻りつつ、現代流にし、これぞ湖池屋、というポテトチップスを作ることが一番のポイントでした」

◎商品の製造過程の事実をすべて開示

 特に「現代流アップグレード」は時代を読む力に長けた佐藤社長が最も得意とするところだ。

「今の時代、デザインも重要。デザインセンスは一瞬でいい悪いが決められてしまいます。そこは売り場に近い存在である女性の感性を意識しながら、洗練されたデザインに仕上げました。一方で、裏には老舗をイメージさせるのれんの絵や、職人のプライドを表わす商品開発部長の写真を入れて、納得して買っていただける事実を開示したんです。もちろん肝は商品ですから、いもの品質を厳選し、その状態に合わせた洗い方、厚さ、揚げ方まで細かく定義、口の中でパリッと噛めてすぐ溶ける絶妙な食感にこだわっています。レギュラー製品と比べると20円ほど高いのですが、それらのこだわりの事実をしっかり開示することで価格に対する抵抗感は払拭していただけるのでは」

 ちなみに『PRIDE POTATO』のネーミングは佐藤社長の発案だと言う。

「『プライド』の持つ高級感と、ダジャレのギャップがポイント。皆さんに楽しんでいただくスナックなので、そのくらいの愛嬌があっていいのかなと」

 当面の課題は、品不足の解消。

「6月までには3商品すべて揃う予定ですので、もう少しお待ちください。そして、これからもいい意味でサプライズを感じていただけるお菓子を作っていきますので新商品にも期待していてください!」

《その後、2つの流れでブランド戦略を展開!》

[対消費者]ポテトチップス開発

[1]国産の情報開示
国産じゃがいも100%こそ、湖池屋の肝。さらに日本人の繊細な味覚に応える高い製造技術を情報開示し、消費者の信頼を獲得。

[2]容器へのこだわり
パッケージは100種類にも及ぶデザイン案から検討。文字の大きさを控えめにし、自立容器を採用するなど、徹底的にこだわった。

[3]接点を増やす広告戦略
CMにはゴスペル女子高生の鈴木瑛美子さんを起用。あらゆるルートでの広告戦略など、多方面からのアプローチで認知度を高めた。

[対社会]屋号変更

[1]「株式会社湖池屋」に
湖池屋は、2001年株式交換で、フレンテの100%子会社となり、フレンテに商号変更。11年に日清食品ホールディングスと資本提携した後、16年10月に再び「湖池屋」としてスタートした。

[2]ロゴマークも刷新
「湖」を中心とする六角形を採用。同社の掲げるコアバリュー「親しみ」「安心」「楽しさ」「本格」「健康」「社会貢献」を表わす。

[3]玄関も老舗風に
「日本産ポテトチップスの老舗」としての誇りを表わす、のれんの店構え。新生・湖池屋が目指す「和の老舗」としての決意表明でもある。

文/編集部

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIME編集部

最終更新:8/2(水) 7:31
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