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【人生相談Q&A】50歳女性。引きこもりの兄を支えることに限界を感じています [mi-mollet]

8/2(水) 14:00配信

講談社 JOSEISHI.NET

torikoさんからの質問
Q. 引きこもりの兄に子どもの頃から苦しめ続けられています。

引きこもりの兄がいます。大卒ですが就職せず、亡くなった祖父の店を形だけ継ぎ、実務は母がしていました。が、母も高齢になり、最近店を閉じました。今後は、店舗と土地を売却するか、賃貸にするか、どちらかで生きていくしかない状況です。幸い持ち家ですので、急に生活に困ることはないです。売却・賃貸にするにしても、その手続きなどは兄と母だけでできるはずもなく、事実上、動くのは私です。だからといって、兄からお願いされることも感謝されることもありません。私も母のために動いているという感じです。子どもの頃から兄のことで心に錘を抱えて生きてきたように感じています。これから先のことを思うと、不安しかありません。ずっと孤独に生きている兄を気の毒にも思いますが、私の心の限界も近づいています。今後、どういう心持ちで接していけばよいのでしょうか。私自身は、結婚して子どももいます。自分の子どもたちには迷惑をかからないようにしたいと思っています。長い間、誰にも相談できずにいました。書かせて頂いただけでも、感謝しております。(50歳)

特別ゲスト 掬池友絢さんの回答
A. 積まれた功徳はtorikoさんの心を浄めることにもつながっています。

ずっとお兄さんに対する思いを一人で抱えてこられたのですね。本当に大変でしたね。誰しも、人には話せない悩みをお持ちになられているもの。それを話せる場所があるというのは、とても大切なことです。この場が、そのようなお気持ちを安心して吐露していただける場になりましたら、嬉しい限りです。

torikoさんはお兄さんに悩まされながらも、無下に突き放すこともできないでいらっしゃるのですよね。たしかに突き放すことができたらラクにはなれるかもしれませんが、実際にそれをおこなうことは、大変難しいことです……。でも私はご相談をお伺いして、torikoさんは今、功徳を積まれているのだと思いました。

仏教の教えには、『七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ)』といいまして、釈迦を含む7人の仏が説いた教えを一つにまとめたものがあります。その基本となるものが、「功徳を積む」ということ。ものすごくシンプルに言いますと、つまり「良いことをしていきましょう」ということなのですね。

こうお伝えしますと、人のために尽くすのみ、という印象を持たれるかもしれませんが、良いことをおこなうことは、自分自身の心を浄めることにもつながります。仏教的に言いますと、それはやがて極楽浄土へ往生する助けとなりますので、お兄さまに良いことをすることは、ご自身の功徳を積んでいくことになるのです。そう思うと、少しは救いが生じませんでしょうか?

そして、お子様へ迷惑がかからないようにしたいとのことですが、たしかに子供さんにとって叔父様となると、「面倒を見なくては」という思いも生まれるものですよね。理想を言いますと、助けられるものなら、助けてあげられるのが良いかと思います。人はやはり、ご縁で生きているものですから。ですから、できることはしてあげるけれど、できないことは無理にしなくても良い。このような考え方をお伝えされてはいかがでしょうか。助け合うことは素敵なことですが、あまり無理をなさらないことも大事だと思いますから。

いかがですか?
掬池先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE

掬池 友絢(きくち ゆうけん)
1975年生まれ。浄土宗僧侶。静岡県三島市にある蓮馨寺副住職。平日は都内の仏教機関に勤務しながら、一方で、仏教の良さを伝え広めるべく様々な活動に取り組んでいる。著書に『泣きたいときには泣いていい』(講談社)がある。蓮馨寺で「お念仏の会」や「お寺BBQ」といったコミュニティ活動をおこなう他、月に1回、寺子屋ブッダの「友絢さんとお茶を飲む会」で女性向けお話し会の講師も務めている。詳細は寺子屋ブッダのHPを参照。