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脳梗塞患者に朗報、画期的治療法にメド

8/2(水) 6:00配信

JBpress

 脳梗塞は、脳血管に血栓がつまり血流が阻害され、脳に酸素や栄養が行き届かなくなって、自律的な機能に支障をきたす病気。発症してから間もない急性期の脳梗塞治療は一刻を争う。

 一般的には、半身不随などの身体麻痺になり、リハビリや回復に専念する姿を思い浮かべるのではないだろうか。突然襲いかかるこの病気により、毎年約6万5000人が命を落としている。

 脳梗塞の治療デバイス開発は、世界の医療機器メーカーが最先端の技術力でしのぎを削る。その中で、国内の医療機器ベンチャーが頭角を現した。

 慶應義塾大学を卒業した兄弟、正林康宏さん(34歳)と正林和也さん(31歳)が2人で4年前に起業したバイオメディカルソリューションズだ。

 従来品では困難だった末梢血管に詰まった血栓を除去する治療デバイスを開発している。弟の和也さんと開発早期から資金面と事業構想のアドバイスしてきたメドベンチャーパートナーズ社長の大下創さん(48歳)に話を聞いた。

■ 兄弟2人で起業した背景

 バイオメディカルソリューションズの基盤技術は、兄の康宏さんが慶應義塾大学理工学部に在籍していた時代から10年以上にわたる研究に基づいている。

 康宏さんは学生時代から、恩師の谷下一夫先生(慶應義塾大学名誉教授)の研究室でステントの構造設計・構造解析の研究をしていた。

 そこでの研究成果が認められ、2010年に渡米し、UCLAでステントの研究開発、現地の医療機器ベンチャー企業で頭蓋内ステントの製品開発に携わった。

 こうした現場で培った経験が今に生きている。現在、正林兄弟は、脳血管内治療用のステントの製品化を目指し、開発を進めている。

■ 正林兄弟の信頼の絆は深い

 和也さんが大学生だった頃、康宏さんは大学院でステントの構造設計・構造解析の研究をしていた。2人は会うたびにステント開発の話をし、大手を含め、国内ではステントの分野で研究開発が進んでいる医療機器メーカーがいないことも調べ上げた。

 康宏さんが培う技術力で世界に挑めるのではないかと、大学生ながらに和也さんは確信するようになったという。和也さんは起業前の数年間を次のように振り返る。

 「就職する前から兄の技術を基盤に、起業しようと決めていました。兄に技術開発を任せて、自分は財務や資金調達などのファンナンスを中心に、まずは国内で事業モデルや開発のスキームを構築していこうと考えました」

 「この計画を実現するために、大学を卒業してまず大手金融機関に入社しました。ファイナンスや企業経営を実地で学ぶためです」

 「ステントの臨床ニーズと市場動向を見極めることができたのは、兄が海外で最先端の医療機器開発に精通する医師たちとの距離が近かったことが大きい」

 米国にいる康宏さんとの事業の相談は、時差のため、日本時間の夜中になることも多かったそうだ。医療機器の最先端技術が生まれるシリコンバレーなど、欧米のリアルタイムの動向に目が離せなかったという。

 和也さんは2012年に起業し、国内での材料の調達先や製造、製造販売の業者など外部の連携先の開拓、開発資金の捻出や知財戦略など開発準備を粛々と進めていった。

 そして米国でステント開発のプロジェクトを終えた康宏さんが帰国し、2013年にバイオメディカルソリューションズが本格的にスタートした。

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最終更新:8/2(水) 11:25
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