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「遺伝=運命」はもう古い!?  食事、仕事、人間関係、環境……何気ない日常で遺伝子は変えられる!?

8/2(水) 6:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 理科あるいは生物の授業でメンデルの遺伝の法則を習ったことのある人は少なくないはずだ。ある特定の性質が1つの世代から次の世代へ引き継がれること。そして遺伝子には優性のものと劣性のものがあり、その組み合わせによってある特定の性質が表れること。

 この祖先からの贈り物は容姿や特定の病気のかかりやすさまで、人生のさまざま場面で影響を及ぼす。私たちはそれを「遺伝」と呼び、自分の運命を決めるものとして捉えてきた。

 しかし2000年代以降ゲノム解析や研究の進歩に伴い、事態はどうやらそんな単純なものではないらしいということがわかってきた。祖先から受け継いだ遺伝子のすべてが現役バリバリで働いているとは限らないからだ。遺伝子にはオン・オフのスイッチがあって、そのスイッチは個人の置かれた環境によって切り替わる。また後天的に遺伝子に変異が起こることもありうる。いわば私たちの運命は常に変わり続けているのだ。

 環境の変化などにより遺伝子がどのように振る舞いを変えるのか。それを明らかにする学問を「エピジェネティクス」というらしい。これまでの医学的な常識を覆す可能性を秘める最先端の科学だ。同じ遺伝病でも人によって症状の現れ方が違うこと。遺伝子的には完璧なコピーであるはずの一卵性双子に見られる相違点。そういったメンデルの遺伝の法則では説明がつかない現象に解答が与えられようとしている。

 そんな神秘的でエキサイティングな遺伝子の世界に私たちを誘うのが本書『遺伝子は、変えられる。 あなたの人生を根本から変えるエピジェネティクスの真実』(シャロン・モレアム:著、中里京子:訳/ダイヤモンド社)だ。

 体の設計図とも呼ばれる遺伝子は、塩基といわれる約30億個の文字でできている。この文字の配列の微妙な違いが私たち一人ひとりの個性を形作っている。

 著者によれば、遺伝的に平均的な人間などこの世には存在しないという。ありとあらゆる人が遺伝子に何らかの突然変異を抱えている。

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