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夢の注文住宅のはずが… 業者まかせはトラブルのもと

8/3(木) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 ハウスメーカーに注文住宅の新築を依頼することになりました。基本的な設計プランや工事金額の打ち合わせが終わり、近く請負契約を結ぶ予定ですが、ハウスメーカーから送られてきた契約書には、建物の簡単な間取り図と立面図しかついていません。このまま契約を結んでも大丈夫でしょうか。

■設計図と仕様書、念入りにチェックを

 「注文住宅でデザインも間取りも自分の理想のマイホームをつくる」。そう考えただけで夢が膨らみ、ワクワクするのではないでしょうか。注文住宅は自分の好みに合わせて自由に建物を設計できるメリットがあります。一方、建売住宅と違って契約時には建物はまだ影も形もありませんので、建物が建った後で「自分のイメージとは違う」といった理由でトラブルになることがあります。
 これから建てる建物の内容は設計図や仕様書で決まります。設計図や仕様書に書かれていない部分は、できあがったものが自分の希望と食い違っても、「契約違反だ」と主張しにくくなります。トラブルを防止するためには、ハウスメーカーに設計図や仕様書をきちんと作らせることが重要です。
 その設計図と仕様書の概要を下記にまとめました。

【設計図】

建物の外観や間取り、構造、各部位の形状や寸法、設備の配置などを示した図面。設計図には配置図、平面図、立面図、断面図など建物全体を示した図面や、細部を拡大した詳細図、構造設計図、電気や給排水などを示した設備設計図など様々な図面がある。

【仕様書】

工事で使う材料や製品の品質、性能、メーカー、施工方法などの仕様が書かれている。設計図には詳しい仕様までは書き込めないので、仕様書を別に作る。

 設計図と仕様書は、これから建てようとする建物の内容、つまり施工者との契約の内容を決める重要な書類なので、普通は工事請負契約書に設計図・仕様書を添付します。建物の設計を正確に表現しようとすれば、詳しい設計図や仕様書が必要になるはずです。ところが、中には契約書に間取り図や立面図など数枚の図面や簡易な仕様書しか添付しない業者もいます。「設計図や仕様書には細かい部分は書いていないけれど、打ち合わせでこちらの要望を伝えてあるから大丈夫だろう」と油断していると、後述するような思わぬ落とし穴が待っています。逆に、図面には寸法まで細かく書いてあるのに、見方がよくわからないからといって後で確認しようと見過ごしていると、これもトラブルの原因になります。
■トラブル事例(1)追加工事代金の請求 業者と設計プランの打ち合わせを始めたところ、担当者から「まず契約を結ばせてほしい。細かい仕様は後からいくらでも変更できる」とせかされて契約を結びました。その後の打ち合わせで、内装材として契約前に見せられたイメージ図に近い色柄のクロスを選んだところ、「追加の工事代金が発生する」と言われました。仕様書では内装材の種類について「ビニールクロス」とだけ書かれていましたが、担当者からは「仕様書のものはベーシックなタイプで単価は1平方メートルあたり1000円。工事代金はこのタイプを使う前提で見積もっている。先ほど選んだクロスはプレミアムタイプで単価は1平方メートルあたり3000円なので、差額が追加になる」と言われました。イメージ図に近いのはプレミアムタイプなのですが、担当者は「イメージ図はあくまでもイメージ」と取り合ってくれません。
 このケースでは、仕様書にクロスの品名などが詳しく書かれていないのに、「後からいくらでも変更できる」という担当者の言葉を安易に信じて契約したことが原因です。
■トラブル事例(2)照明の位置にずれ 天井に直接取り付ける「シーリングライト」をダイニングルームに設置したところ、テーブルの真ん中からかなりずれていました。契約前のイメージ図にはテーブルや家具、照明の絵も書かれていたので、当然その配置に合わせて取り付けてもらえると思っていました。業者に位置を変えてほしいと苦情を言ったところ、「設計図には照明の取り付け位置は書かれていない。部屋のだいたい真ん中に取り付けているので問題ない」と言われました。
■トラブル事例(3)駐車場に車が入らない 我が家は普通乗用車を持っていて、新築を機にもう1台、大型のワゴンを購入することにしました。業者には車を2台とめられるよう、駐車場は広めに確保してほしいと要望しました。ところが、家が出来上がって車を駐車場にとめようとしたところ、幅が狭く2台の車を駐車できませんでした。しかし、業者は「駐車場の寸法は図面のとおりなので、契約違反ではない」と言われてしまいました。
 (2)(3)のケースでは、大切な要望が明確に業者に伝わらず、設計図に正確に反映されているのか確認しなかったことがトラブルの原因になっています。業者はプロなのだからきちんとやってくれるはず、という思い込みは禁物です。建築主はたとえ素人でも、設計図を見て照明やコンセントが表示されているかどうかや、その位置を確認したり、駐車場にとめる車の車種やサイズを伝えてスムーズに車庫入れができる幅を確保するよう求めたりすることはできます。特に自分がこだわりを持っている部分は期待が裏切られたときの落胆も大きくなりますので、入念にチェックしてください。

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最終更新:8/3(木) 7:47
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