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Film『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』

8/3(木) 20:05配信

中央公論

マクドナルドを買った男

 誰もが知っている米国のハンバーガー・チェーン店マクドナルド。日本では一九七一年七月、銀座三越に第一号店が開店して大人気になった。
 一九五〇年代、セールスで各地を回っていた五十二歳のレイ・クロックは、カリフォルニアで立ち寄ったハンバーガー店の注文から出来上がりまでの速さに驚き、人気の店に仕立てたオーナーのマクドナルド兄弟からフランチャイズ権を買い取る交渉を始めた。
 これが生涯に五億ドルを稼いだといわれるマクドナルド・コーポレーションの創業者レイ・クロック(マイケル・キートン)を描く『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』の始まり。客に提供するまでの時間の短さ、人件費を削減する方法に感動したクロックは、支店が増えれば質が落ちると言うマクドナルド兄弟を粘り強く説得して契約に成功、全米に三〇〇〇を超えるフランチャイズ店を作るが、それでは加入の手数料が入るだけのクロックが儲からない。そこで兄弟との契約を、弁護士の助言を得て自分に有利な方向へ曲げて解釈しなおし、商権を二七〇万ドルで買い取り、資産五億ドルの成功者への道に突き進んだ。
 原題の『The Founder』は創業者の意味だが、クロックは創業者ではない。でも彼がいなければ世界のマクドナルドはなかったというように監督のジョン・リー・ハンコックは描く。野心とヤル気で成功への階段をよじ登った男を演じるマイケル・キートンは、近年売れっ子の性格俳優。売れない時期を経て再浮上した俳優だけに、なりふりかまわずチャンスに体当たりする役が真に迫る。

監督:ジョン・リー・ハンコック
7月29日(土)より角川シネマ有楽町、渋谷シネパレスほかにて全国ロードショー

渡辺祥子 映画評論家

最終更新:8/3(木) 20:05
中央公論

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