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極北漫画家・根本敬による「根本敬 ゲルニカ計画」。現代美術家・会田誠と組んで描き上げようとする21世紀の風景とは?

8/3(木) 15:00配信

サイゾー

「根本敬 ゲルニカ計画」

 この言葉の響きを聞いただけで、少しでも漫画や絵画に造詣がある者ならば、胸が震えてくるのではないだろうか。

 根本敬は、言わずと知れた漫画界の極北にして、「特殊漫画」のスペシャリスト。1981年に「ガロ」でデビューして以来、『豚小屋発犬小屋行き』(青林堂、1991)、『未来精子ブラジル』など、数々の衝撃作を世に生み出してきた。

 そして、「ゲルニカ」とは、言うまでもなくパブロ・ピカソの手になる20世紀を代表した絵画。349センチメートル×777センチメートルというその巨大な壁画は、スペイン内戦中に制作されたもので、ドイツ空軍によってなされたゲルニカの無差別爆撃に対する怒りが込められている。

 そして、その名を冠した「根本敬 ゲルニカ計画」とは、21世紀の現代を生きる根本敬が、「個人の意志を超えた大きな何かに突き動かされて」《ゲルニカ》大のサイズの絵を描くという一大プロジェクトなのである。

 7月14日、原宿のラフォーレに程近い原宿BLOCK HOUSEにおいて、この「根本敬ゲルニカ計画」と、その完成と同時に開催されることになっている「鉄工島FES」の合同記者会見が行なわれた。

 この計画の制作担当でもある太田出版の編集者にして発行人の穂原俊二氏の司会のもと、根本敬氏と共に登壇したのは、現代を代表する美術家の会田誠氏。会田氏は、根本氏の画材アドバイザーとして、この計画をサポートしているのだ。

 超個性的なふたりが並び立った記者会見のやりとりは、その作品同様個性的だった。まず、どうしてこの「ゲルニカ計画」をやろうと思ったのか、という質問に根本氏は、「マンガ家って基本的には小さいコマに絵を描いているので、それが急にゲルニカくらいのサイズの絵を描いたら、その落差が面白いかなと思ったんです。まあ根が漫画家なもので、その場その場で質問への回答が変わるかもしれませんが」と回答した。

 根本氏がいま「ゲルニカ計画」の絵を描いている場所は、羽田空港に近接する東京の突端であり、東京最後のフロンティアとも呼ばれる京浜島。工場ばかりが立ち並び、住人はひとりしかいないこの人工島にある「BUCKLE KOBO」というアトリエで、根本氏は毎日巨大なキャンバスに向かっている。

「いまは一日一回、2、3時間でもいいから行かないとというくらいBUCKLE KOBOで絵を描くのが癖になっていますね。この間韓国に行ってきたのですが、行きに成田空港に行く前にも寄って、帰ってきた日も空港からそのまま行きました。とにかく描いて来ないと気がすまない」と根本氏は制作に没頭していることを語る。

 巨大な絵を描くことはほぼ初めての根本氏にとって、強力なアドバイザーとなっているのが会田誠氏だ。会見で根本氏と同席した会田氏はこう語った。

「根本さんの描く絵の内容については、なるべく僕は影響を与えないほうがいいと思っています。ただ大きい絵を描く困難さについては骨身に沁みて分かっているものがあるので、そういう体験を伝えようと」

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最終更新:8/3(木) 15:00
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